父さんと呼べないで２ (ページ32)

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思い続けるページ32

智side

さっき潤と話をした。

正直、翔に変化は見られない。
進行を恐れて強い薬を使ったのが悪い方に出て、完全に体が拒否反応を起こしてしまっている。
だから、脳も起きる機能が弱りつつあり、まだまだ改善の予知はあるというのに……

「植物状態を覚悟で動いてみるしかないぞ」

先輩にそう言われ、即答できなかった。

潤「…かず、は……なんていうかな、」

ずっと翔に付きっきりの潤は精神的に弱り始めている。
きっと仕事はキャンセル続きであろう…

前に「仕事行ったら？」って声をかけたら、
「後悔したくない」そう返ってきた。

凄く重く深い返答だった。

いつ、急変してもおかしくない状況であることは潤にも、もちろん和にも伝えている。

あとは翔自身にどれほどの体力が残っているか、だ。

潤「……さとし、…」

俯いている潤の声は震えていた。

潤「……もう、、つらいよ」

俺が、翔の兄ちゃんになるって。
絶対守るって。

あの頃から潤はそう言っていた。

忘れないよ…
あんなに荒れてた潤が人に心を開いた瞬間だもん。

智「…潤、もう1人で頑張らなくていいよ」

ずっと分かってた。

自分よりも翔を考え。
翔を愛し、逆に愛している和を、大切にしていた。

いつか、
辛くなる時が来るって、俺は分かってた。

人を思い続けることって、簡単なことじゃないんだよね。