父さんと呼べないで２ (ページ3)

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あの日以来ページ3

和side

あの日以来、雅紀とは口を聞かなくなった。

あの日以来、周りの視線を痛いほど感じるようなった。

あの日以来、誰とも会話をしていない。

あの日以来、涙が出なくなった。

智「ほーら、和。ハンバーグ食べよー」
和「…」
無言で食べる。

ごめんなさい…

とてもおいしいし、智は何も悪くない。
もちろん潤くんだって。

本当は、父さんにだって理由があることくらい分かってる。

それでも…

父さんの口から聞けなかったのが悔しいんだ。
今まで何も知らなかった自分が恥ずかしい。

やっと親子らしくなれたのに…
まだ知らないことの方が多いことに驚いて、助けたいって思っていたからこそ、ショックが大きかった。

智「ふふ、和。おいしい？」

ぶっきらぼうな顔で食べていても、嬉しそうに聞いてくる。

本当は美味しくて美味しくて。
今にも笑が零れそうだ。

智「聞いてよ、あのね。翔ったらご飯食べてくれないんだよ？」
和「…っ」
智「もう本当困っててさ、潤も俺もお手上げだよ。どうしちゃったのかな」

なにやってんだ、父さん。

今は大変な時期なんじゃないのかよ…

そんなんじゃ、余計悪くなって、、

智「お代わりいる？」
流しへ食器を置き、部屋に戻った。

「お風呂入っちゃいなよー？」
その言葉を背に部屋のドアを閉めた。

俺のせいで、

俺が酷いこと言ったから、

父さんすぐ気にするから。

すぐ落ち込むから。

分かってるのに…

父さんは強くないって分かってるのに…

和「なにやってんだよ、俺」

涙が溢れた。