父さんと呼べないで２ (ページ20)

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潤の過去ページ20

潤side

もう、全てを話すことにした。

翔……悪く思わないで欲しい。

和、よく聞いてね？

俺と智は小学生の時に出会った。
俺が小5、智は一つ上の小6だった。

俺は…
小2の時に父親が家出をし、離婚した。
父親の不倫が原因だった。
母親に引き取られた俺は、肩身の狭い生活をした。平凡な暮らしは半年と続かず、母親は夜の世界に入った。
毎日19時過ぎに家を出て、明け方に帰宅しては、夕方までダラダラとしている。
食事なんて…どうしていたか覚えていない。

いつしか、電気が止まった。
水が止まった。
家を追い出された。

知人の家…夜の世界の人だから、どちらにしろ夜は1人だったが、居候させてもらった。
しかしそんなの長くは続かなかった。
一番の原因は俺だった。
俺の存在が、今の母親には邪魔で仕方なかったんだ。

「もう辞めたわ、あんた消えて」

父親母親って、いったいなんなんだろう。

おばの家に置かれた俺は、要するに育児放棄。
捨てられたんだ。

縁切ったくせにおばさん家って…

正直笑った。

こんなやつらのもとなんて、俺から離れてやろうと思った。

そして…

小5の春、児童施設「青空園」を訪れた。

ここに来た子供達が青空を見上げた時に心から「綺麗だ」と笑顔になる日を願って。

という意味で「青空園」

今考えると素晴らしい意味なのに、あの頃の俺はそれさえも鼻で笑った。

それだけ、傷ついていたんだと思う。