温めて1.(ルパン) ページ7
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「ささささ寒いっ、A温めてくれよぉ」
「いやよ!」
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事の始まりはほんの数時間前
いつものように仕事終わりを銭形警部に襲われ、空中戦を繰り広げていた頃のこと
「逮捕だー!今度こそは逃がさんぞー!!」
「おお、とっさぁんにしては上出来じゃないの」
銭形の打つ弾をスルリスルリと避けるルパンのジェット機
「ルパン、ふざけないでよ」
当たったらどうするの、ここで落ちたら凍っちゃうよと前の席に乗っているAが声をあげた
「ちょっとだけよ、とっつぁんも暇なんだから」
いしししと笑って操縦桿を握るルパンに呆れ始めた頃それは起きたのだった
「ルパン!!」
操縦桿を握るルパンが気づいた頃にはもう遅く、後ろについていたはずの銭形がいつのまにか目の前にいたのだ
カンっと機体に弾が当たった音がした直後、
ボンっとエンジンから煙が上がる
なんと、たまたま銭形警部の放った銃撃が見事にルパンとAの乗っているジェット機のエンジンに貫通したのだ
「観念しろ!ここはアイスランドの上だ」
ガーッバッハと笑うと銭形だが、彼の言う通り、落ちたら助かる確率はとても低い
そんな状況に陥り、二人は外の気温とは反対的に額に汗を滲ませる
後ろで今も銭形は手錠を振り回している
だが、そうこうしている間にも機体は地上に近づいていく
「あそこに小屋がある、飛ぶんだA!」
次の瞬間、カバーガラスが開き二人は機内から飛び降りる
パラシュートを開くと同時にルパンの言っていた小屋が目に入る
次の瞬間ものすごい勢いで風が吹き、ルパンのパラシュートと離れてしまう
「ルパン!!」
「あの小屋で集合よぉ」
わかったと返事をする頃にはもうルパンの姿はなかった
奇跡的なことにAの着地点は小屋に比較的近く、小さくポツンとあるそれは雪を被っており空高くからは見えなくなっていて銭形警部から隠れるには好都合だった
地上に着いてパラシュートを切り外し小屋へと入る
室内はしばらく使われておらず薄汚れていたが、どうやら昔人が住んでいた形跡があり、今は物置小屋になっているようだった
室内には小さな暖炉があり、床の上を転がるボロボロのマッチで火をつけた
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チェシャ猫(プロフ) - リクエスト良いですか? (2022年12月28日 18時) (レス) id: af2b388f3f (このIDを非表示/違反報告)
さかなのしっぽ(プロフ) - シーナさん» リクエストありがとうございます! (2020年6月16日 2時) (レス) id: e4b8216cb7 (このIDを非表示/違反報告)
さかなのしっぽ(プロフ) - ジンloveさん» ありがとうございます! (2020年6月16日 2時) (レス) id: e4b8216cb7 (このIDを非表示/違反報告)
シーナ - リクエストです【男性恐怖症の夢主と次元】と【一国の姫の夢主に次元が迎えに行く話】と【ルパン一味に愛されてる夢主が敵に誘拐される(次元)】をお願いします!! (2020年5月29日 0時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
ジンlove - とっても面白いですね。 (2020年5月20日 16時) (レス) id: c6e3be00f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのうのひるごはん | 作成日時:2019年6月16日 2時