落とし物 ページ6
間に合うかな…………。
全力で階段を駆け上がる。
電車のドアはまだ開いていたし間に合うかも!っと思ってペースを上げつつなんとなくバックのポケットに手を突っ込むと定期がないことに気づいた。
とりあえず定期がないと帰れないし……探すか………。
私は引き返すことにした。
電車は行っちゃったし、無駄に走って汗かいちゃったしちょっとついてないなぁなんて思いながら階段のほうにゆっくり歩き出すと晴くんが走ってくるのが見えた。
晴くんも急いでたのかな………?電車もういっちゃったけどなんて考えていたら晴くんと目があった。
手を振りながらこっち近付いて来る。
「Aちゃ……Aちゃん!!!この定期違う………?」
「私の定期…………!!ありがとう………!!!落としちゃって今から探しに行こうと思ってて……。手間かけちゃってごめんね……。本当にありがとう!」
晴くんの手には私の定期が遠慮がちに握られていた。拾ってくれてしかも届けてくれるなんて本当に晴くんは優しい人なんだなあと思いつつお礼を言うと
「ううん!助けになれたのなら嬉しいよ………!甲斐田もこっちのホーム使ってるから気にしないで…!」
とにこにこして答えてくれた。
「本当にありがとう晴くん……!てか晴くんもこっち方面なんだ?じゃあ電車でもお話しできるね……!
そうだ!さっきメイちゃん達とね、インスタとLINE交換したの!
それで晴くんに聞きそびれちゃったなって思い出して、晴くんがもし良かっ__」
そういえば晴くんに連絡先を聞いてなかったななんて思って思い切って本人に聞いてしまう。
「あ、ありがとう……。お、お願いします!!インスタもLINEもどっちもあるので!!Aちゃんが嫌じゃなかったら……」
晴くんの大きな声に少しびっくりしたけれど連絡先を聞いても良かったみたいで安心した。
「ほんと〜!嫌なわけないしむしろ嬉しいな〜。これ!私のインスタ!!LINEはこれだよ!」
「ありがとうAちゃん!!追加できたかな………?」
「できてるよ!試しに私から送ってみるね〜」
よろしくね!と書かれた可愛いくまのスタンプを送ると晴くんも可愛いスタンプで返信してくれた。
こんな可愛いスタンプあるんだ…!晴くん可愛いもの好きなのかな。
「ふふ。晴くん改めてよろしくね!あ!電車きたから乗ろう!」
晴くんとたくさん話せるのが嬉しくて思わず笑いながら言ってしまった。
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作者名:るり | 作成日時:2022年7月19日 17時