僕らはずっと… (ページ2)

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02.目覚めページ2

side S

ゃ…、ちゃ…、ちゃま… ぼっちゃま

「んんん…」

「おはようございます。うなされているご様子だったので起こさせていただきました。」

「おはようばあや。ありがとう」

「またあの夢でございますか？」

「そうだよ。さすがばあや。」

あの夢をみるとかならずといってもいいほど涙が勝手に頬をつたっていたり、うなされたりする

あの夢は俺に忘れるなと訴えんばかりに起きた時に無性に虚しさや、悲しさ、寂しさ、物足りなさを残していくんだ。

「このばあやぼっちゃまのことぐらいなんでもわかりますよ」

ばあやは俺が生まれた頃から俺たちの世話をずっとしてくれている

俺の家、櫻井家は超有名企業『 SKF 』といって、小、中、高、大などと学校を経営していたり、電化製品、航空企業、呉服、飲食などと幅広く展開しているのが俺の家。

だから父は祖父から会社を受け継ぎの時期だったさらいつも忙しかったし、母は受け継ぎをする父を支えるのに忙しかったから、俺たちは生まれた時からばやあが育ててくれたに近い。

「この夢はなんなんだろうね」

「それはぼっちゃまにしか分かりませんよ。

さぁ、ぼっちゃま涙をお拭きください。
今日から高校生ですよ！凛(りん)お嬢様が居間でお待ちです」

そう。俺は今日から祖父が経営している学園の高校1年生になるのだ。

「あ、ねぇばあや。今日から俺は高校生なんだよ。だからさ、そのぼっちゃま呼びやめてくれない？」

「それはぼっちゃまが1人前の男性になられてからでございますよ」

ホホホホホホとか言いながら弟の玲(りょう)の寝室に逃げ込んでいった。

ほんとにこまった人だ…

俺は呆れながら凛の待つ居間に向かった。