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出発進行 ページ35

流れ流れて東京駅。
駅弁コーナーで朝ごはんを買おう、と提案してきた野薔薇ちゃんだが、私は大切なことを忘れていたようだ。

「私もう朝ごはん食べちゃったんだよね…」

「嘘!?」

「ごめんね、野薔薇ちゃんだけ買って?」

駅弁は選ぶところから楽しみが始まるのに、と驚かれた。
仕方なく彼女一人で弁当を選び、迷った挙句に稲荷弁当を買っていた。

そして、いざ新幹線。
あまり乗ったことがないのでワクワクしながら乗車する。
座席に座りしばらくすると、緩やかに新幹線が出発する。
平日だからか乗客は少なく、私たちの号車にも数人が乗るのみだった。
先程買ったおいなりさんを頬張る彼女と二人で金沢名物を調べていると、いつの間にか金沢まで残り半分ほどの距離になってしまった。
ここら辺で彼女にも任務のことを伝えた方がいいだろうか。

「そういえば野薔薇ちゃんって、次の任務のことまだ知らないよね?」

「そうね、時間なかったし。」

ペットボトルの紅茶を飲みながら、彼女はそう答えた。
ならちょうどいい。
あの後事態がどう動いたのかも気になるところだし、説明がてら改めて確認することにしよう。

「朝資料送られてきてたみたいだし、今のうちに確認しとこっか。」

スマホを取り出しメールボックスを確認すると、高専から新しい資料が送られてきていた。
液晶画面を操作し、資料を開く。

『報告:現在九時十一分時点において、確認された行方不明の児童は計98名。
行方不明者は古野村の入里地区に住む一歳から七歳までの児童全員であり、内訳は男児43名、女児55名。』

……と、言うことだそうだ。
隣で同じく高専から送られてきた資料に目を通していた彼女が息を飲む。

「98人!?しかも地区内の子供全員いなくなってんのかよ…」

被害者の多さに驚きを隠せないようだ。
そして、それは私だって同じだ。
さっきよりも二倍近く被害者が増えている。
しかも相変わらず被害者は一歳から七歳以下の子供だけ。
ひとつの地区を巻き込む大事にまで発展しているのに、私たちで対処出来るのだろうか。
そんな一抹の不安を感じる。

「…とりあえずさっさと現地向かいましょ。話はそれからよ。」

とん、と私の肩を叩く。
そう言われて少しだけ肩の力が抜けた。
初任務だから必要以上に緊張しているのかもしれない。

_______________

地区の名前は全て勝手に作ったものです。
実際にはそういった地域はありません(多分)。

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作者名:枯道 | 作成日時:2021年1月24日 10時

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