情報収集タイム ページ33
任務の場所は金沢から車で一時間半かかる山奥のとある村だった。
今朝五時、五歳の息子を持つ母親から『子供の姿が見当たらない』と警察に連絡があったことで事態が発覚した。
その後私たちに五条先生から話があった、という訳か、連絡が来るまでが速いな…。
その後、これまでに一歳から七歳までの児童52人が行方不明となっていることが分かった。
尚、行方不明者はこれから更に増えるだろうと予想されている。
親御さんや近隣の住民は今朝から混乱の渦に巻き込まれていることだろう。
…被害の範囲が広いな。
明らかに一級以上の仕業と思われる事件だが、四人いるとはいえ一年生で向かっていいのだろうか。
でも、今のところ被害が出ているのは七歳以下の子供だけだと言うのが気になる。
それに、この地域の近くにはもはや廃墟同然の小さな神社がある。
神社はそもそも不浄を祓う場所だから、近くに呪いが寄り付くことはあまりないのだが。
四級以下の呪霊が一日に五回は集まってくるお札を持ち歩いていた私が言うのだ、多分間違いない。
とはいえ神社があるというのは少し気になる。
小さく廃墟同然、神主も既に居ないようなところとはいえ神社は神社だ。
どんなに小さな寺社仏閣でもある程度結界のような役割を果たしていることが多いのだが……。
まぁ、行ってみたらわかるだろう。
今までに親から報告があった五十二人分の詳しい資料も送られてきていた。
七歳以下ということ以外特に共通点はなく、女児も男児もいる。
家から持ってきたノートパソコンで色々調べていたが、気がつくと時刻は七時半を過ぎていた。
一時間以上調べていたのか、流石に肩が痛くなってきた。
身体を伸ばして肩の力を抜いていると、ノックの音が聞こえた。
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作者名:枯道 | 作成日時:2021年1月24日 10時