野に咲く薔薇に愛を刻む【呪術廻戦】 (ページ28)

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真白い朝日ページ28

脱線しながらも野薔薇ちゃんと二人で片付けたおかげで、何とか部屋は綺麗に片付いた。
一息ついてベッドに座ると、まだ六時頃だというのに急激な眠気に襲われた。
自分では分かっていなかったが、どうやら思っていた以上に身体も心も疲れたみたいだ。
そのままベッドに横になった瞬間、泥のような疲労が身体を押さえつける。
眠気に抗えぬまま瞼を閉じると、意識は闇に引きずり込まれていく。

目を覚ませば、空はまだ白み始めたばかりだった。
起き上がってから気がついたが、昨日は服も着替えずに眠りこけてしまったので服がシワだらけになっている。
とりあえず服を着替え、着ていた服を部屋にあった洗濯機に突っ込む。
とはいえやはり体が若干ベタつくので、タオルや洗顔料を持ってここより離れた場所にあるシャワールームに向かった。
外に出ると早朝故か、三歩先が見えぬほど霧が濃く立ち込めていた。
冷えて湿った空気を頬に感じながら中を歩いてゆく。
教えてもらった建物は少し奥まったところにあったが、すぐに辿り着くことが出来た。
シャワールームは奥まったところにある小さな建物の中にあった。
入ってみると、靴箱のすぐ目の前にはコーヒー牛乳などが売っているスペースがあって、その奥で入口が男と女に別れていた。
大浴場があるから自由に使っていい、と五条先生が言っていた気がする。
これじゃあシャワールームというより銭湯みたいだ、なんて思いながら女と書かれた方の暖簾を潜る。
荷物を入れる籠が沢山置いてある脱衣所で服を脱ぎ、いざ浴場へと足を踏み入れた。

誰もいない浴場で身体の隅々まで洗い流して、いよいよ湯に浸かる。
足先がピリピリ痺れるくらいに熱い湯に体全体を浸しながら、大きく息を吐いた。
きもちいい。
早朝からこんな広い風呂を貸切状態だなんて贅沢だ。
しばらく一人きりの贅沢な時間を堪能して、名残惜しく思いながらも湯からあがった。
体をしっかり拭いて、濡れた髪を備え付けのドライヤーで乾かした。
本当になんでもあるな、ここ…。