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聞いてない ページ24

樹さんとも仲良くなって、いよいよ初登校の日がやってきた。
荷物は父と母が寮へ先に運んでくれたらしい。
初めて訪れた呪術高等専門学校の感想は、

「デカい…広い……。」

だった。圧倒的な語彙力の低下を感じる。

「では、後のことは教師の方にお願いしているから、頑張ってね。」

理さんはそう行って車の窓から顔を出した。

「はい、送っていただきありがとうございました。」

じゃあね、と手を振って車を出して行ってしまった。

教師の方と言われても、周りには誰もいない。
今日は生憎の雨なので、理さんに貸してもらった傘をさして先生を待つことにした。
ぽつぽつ、と傘に雨が落ちる音だけが聞こえる。
静かだなぁ、なんて呆然と考えていた。

「お、見つけた。じゃあ行こっか!」

「ん!?」

唐突に真後ろから声が聞こえた。
振り返れば黒ずくめの格好に黒い目隠し、そんな格好の中で異様に目立つ真白い髪をした長身の男性。
割と真面目に変質者にしか見えないが、おそらくこの人が教師の方なんだろう。

「新入生の子でしょ?雪下A。僕は五条悟、呪術高専で一年を担当してる。
ま、要するに君の担任ってこと。よろしくね。」

「…はあ。」

こっちこっちと手招きされる。
怖い怖い。怖すぎる、なんなんだこの人は。
とはいえ着いていくより他の選択肢を持ち合わせていないので、先に歩き始めたその人について行く。

「とりあえずAは今から学長と面談ね。」

「……は?」

「下手したら入学拒否られるから頑張ってね〜。」

オイオイオイオイ聞いてないわ!!!何だそれ!!!
どうしよ、変な事言って入学できなかったら夢の生活が始まる前に終わるじゃんか!!

会いに来ました→←多分いけます



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作者名:枯道 | 作成日時:2021年1月24日 10時

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