Pet90 ページ41
ふかふかな椅子に座る在校生の間を、本格的なオーケストラの音色に包まれながら卒業生がゆっくりと歩いてくる。
とうとうこの日がやってきてしまった。
今日は流星高校の卒業式。
風磨くんと花城さん、そして中島さんの卒業式である。
「卒業証書授与」
「中島健人」
中島さんの番。在校生が泣き叫んで名残惜しむのを気にも止めず、一歩一歩踏み出した。
いろんなことがあった。
最初はどうなることかと思ったけれど、この一年間はすごく幸せなものだった。
いろんなことを教えてもらって、いろんな所につれていってもらって。
彼が幸せを教えてくれた。
「卒業生代表の言葉、中島健人」
「…桜が満開に咲く晴天のなか、このようにおめでたい日を迎えることができ…」
いつもの爽やか営業スマイルを浮かべる中島さんの声が体育館に響いて、入学式を思い出した。あれから一年しか経ってないんだなあ。
「卒業生代表、中島健人」
この後、高らかにペット宣言されたんだよね。
「それから。僕のお嫁さんは、1-A宇佐美Aさんに決まりました！」
そうそう、こんな感じ。高圧的で事務的な宣言をされて…って、へ？
思わず顔をあげる。彼は1年前と少しも変わらない、さわやかな笑顔で私を見つめていた。
体育館にざわめきが広がっていく。
理「これって…プロポーズじゃない」
勝「来年は理子の番だからねー」
理「は？！」
当の私には、全然頭が追いつかない。
健「異論、ないよね？」
私が固まっていると、彼は何思ったか壇上を降りて在校生席へとやってきた。
「いくぞ」
「ふえっ」
中島さんに手を取られ、体育館の外に引っ張り出される。
「お前、俺に恥かかすき？」
通常モードに戻った中島さんは、綺麗にセットされた髪をぐしゃぐしゃっと手で崩した。
「だって急すぎて声が」
「一度しか言わない、心して聞け」
「お前に出会えたことが俺にとっては流星にあたるよりも奇跡みたいなことで俺はお前と」
そこまで早口でまくし立てて、中島さんは急に黙った。
「けっこん…したいとおもってる」
「え？」
声が小さすぎて聞こえない。
「…結婚しろ！！」
必死な顔を赤くして言う中島さんが愛しくて、両手でぎゅっと抱きついた。
「私もそう思います、健人くん」
昼間なのに、流星が見えた。そんな気がした。
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いーぐる(プロフ) - 桜花さん» ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。面白いと思ってもらえてとても嬉しいです…。実はこれを作っていたアカウントが消えてしまっていて、もう一度アカウント作り直してるんです汗それで誤作動になってるのかも。新作を出せたらそうします！ (2019年1月24日 7時) (
レス) id: 972489cf8f (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 完結、おめでとうございます！ この作品、本当に本当に面白かったです！ 次回作も楽しみにまっています！！ あと、いーぐるさんのページ(？)に何故かとべないので新作がでたらURLをこの小説に貼ってくださると嬉しいです。よろしくお願いします！ (2019年1月23日 17時) (レス) id: d45390dddb (このIDを非表示/違反報告)
FUKA - 速く更新してください!!!!!! (2018年8月20日 23時) (レス) id: 7fce94fe2d (このIDを非表示/違反報告)
いーぐる(プロフ) - JUMPさん» 好きなコンビとかあったら教えてくださいね！ (2018年7月19日 21時) (レス) id: fc8fce71cb (このIDを非表示/違反報告)
いーぐる(プロフ) - JUMPさん» ありがとうございます！本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします！！ (2018年7月18日 18時) (レス) id: fc8fce71cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いーぐる。 x他1人 | 作成日時：2017年9月17日 23時
