叶わなくてもｰSEKAI NO OWARIｰ

あのときの御礼 ページ47

蒼｢あれ、なかじん…？｣


深夜の１時を過ぎたごろ
私がお風呂からでると
暗いリビングのソファに
なかじんが座っていた

なかじんからの返事がないので
うちの声は届いていないみたい

蒼｢なーかーじーんっ｣

肩を叩いて驚かしてみる


なか｢うわっ｣


コロンっ…

と、なかじんの手から
何かが音をたてて床に落ちた

蒼｢…何これ？｣

拾おうと腰を落としたら
凄い勢いで なかじんがそれを拾った

なか｢なんでもないよ｣

そう言う彼は誰が見ても動揺してて
なんだか面白そうなニオイがした



蒼｢…隙ありっ｣

隙をついて
奪ったモノを見ると…


蒼｢……何これ？リング？｣

え、プロポーズするの？

と、聞くと


なか｢そうだよ…!!｣

と、照れくさそうに言った



蒼｢えー、いーないーな!!結婚かぁ!!｣

Aが羨ましいよ

うちがうっとり したら

なか｢そんなことないよ｣

と、なかじんは悲しそうな顔をした



うちは彼のこの顔を
あの5日間で何度も見たことがあった

なかじんはいつも笑っているものだと
変なイメージがあったから
初めのときは うちも悲しくて
泣いた覚えがある


彼がこの顔をする時は
決まってAの話をしているときだった

だから うちの中では
"A"と言うワードが禁句だったんだ


いつ見ても、彼のこの顔は苦手だ
こっちまで悲しくなる…

何とかしてあげたい




なか｢ははっ、ごめんね
だから、蒼ちゃんが
そんな顔しないでよ｣

と、泣きそうなうちに
いつものように笑う彼。



作り笑いだって、すぐに分かるんだから


蒼｢…何かあったの？｣

そんなの、聞かなくても分かるけど


黙る彼。


蒼｢ねぇ、話して…？｣


交換の時、いつも
慰めてくれたのはなかじんだった


だから、うちも
役に立ちたかったのかもしれない

優しすぎる彼→←作り笑い

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