叶わなくてもｰSEKAI NO OWARIｰ

誰が好き ページ43

ｰｰｶﾞﾁｬ

A｢あ、さおりっ
珍しいね!!｣

さおりが珍しく
なかじんの部屋にやって来た

A｢今、なかじん居ないよ？｣

さおり｢んーん、今日はAに用があるの｣

と、控えめに微笑む彼女


何だろう、







さおり｢単刀直入に言うとね
Aは今 誰が好きなの？｣

さおりが、ベッドに腰かけながら言った



さおり｢なかじん？深瀬？｣

と、固まった私をよそに
話続ける さおり


誰が好き、

それは私が悩んでることでもあった



さおり｢さっきなかじんと喋ったんだけど
そのとき、悲しそうにAの事話してたよ｣

胆試しの時、二人が何処で何をしてたのか
そんな 分からないようなことで悩むくらい
なかじん、追い詰められてるんだよ


って、言われて初めて気づいた


さおり｢きっと、なかじんもAの前では
笑ってばかりいるんだろうけどさ、｣

A｢私、なかじんが辛いって
分からないなんて…｣

恋人失格にも程がある…


さおり｢Aがわざとやってるなんて
私もなかじんも思ってないよ
だからさ なんかあったら私に相談してよ｣


それだけで変わると思うんだ


そう言った彼女の笑顔を見たら
ほんとに変われそうな気がして





A｢うんっ、教えてくれてありがとう!!｣


さおり｢ふふ、どういたしまして。
なかじんならリビングに居たよ｣

にやにや と、いつものさおり



A｢ありがとう!!行ってくる!!｣
と、部屋を飛び出す私



私はなかじんが好きだから
付き合ったんだ!!

優しい、なかじんが好きなんだ


でも、その優しさに甘えすぎてたんだって
さおりが教えてくれた




A｢なかじんっ｣

なか｢え、A 起きたの？おはよ｣

と、いつものように笑うなかじん



そういえば、私は彼の笑顔以外
見たことが無いように思う


大好きな なかじんの笑顔も
なんだか 今は痛くて

A｢ごめん、もう無理しないで…？｣


と、抱きついた

A｢私が、甘えすぎてたんだよね｣


なかじんは黙って背中に手をまわして
強く抱き返してくれた

私はそれがなんだか嬉しくて
泣きそうになるのをこらえた


なか｢ごめん、｣

なかじんが何に謝ったのか
私には分からなかったけど



愛してる

そう、耳元で囁いた彼の言葉に
顔が熱くなるのを感じながら

｢私も、愛してるよ｣

と、言った



私は大切な人を失いかけてたんだ
と、気づいた瞬間だった

ウサギのぬいぐるみ→←俺が出来ないこと

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