叶わなくてもｰSEKAI NO OWARIｰ

なかじんの匂い ページ29

ﾞ俺がAを好きってこと
忘れていいからな"



さとしがそんなことを言った
次の朝、交換が終了した

蒼は泣きながらさとしに抱きつき

なかじんは｢おかえり｣と微笑んでくれた
この5日間が何もなかったかのように。


私も、ただいまと微笑んだ




･

･


その日から１週間くらいが過ぎた

なかじんは、やっぱり
変わらずの笑顔を向けてくれるけど

うまく笑えない私。

自分でもわかるほど
ぎごちない笑顔だと思う



なか｢…A、｣


なかじんがベットに
座ってる私の隣にきて

抱きついた。


なかじんの匂いだ…

さとしと、違う。

なかじんの優しくて落ち着く匂い。

でも なんでだろう。これじゃない。

ぎゅっと胸が痛む


なか｢ねぇ、A｣


抱きつきながらなかじんは続ける


なか｢俺さ、深瀬とのこと何も聞かないよ
だからさ、元のAに戻ってほしい｣

私が小さくうなずいたのを確認して

なかじんの顔がゆっくりと
近づいてくる


どうしよう、わたし…

目を閉じないで受け入れたキス


唇はすぐに離れ

なかじんが私の頬を拭った


あー、私 また泣いてるんだ





なか｢ごめん、嫌だったね｣

私がふるふると首を横に振る


なかじんは背中を撫でながら
私が泣き止むのを待ってくれた

ネックレス→←逃げなきゃ

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