愛より恋よりお笑いで (ページ10)

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両親も私の覚悟がここまでだとは思わなかったから驚いていた

養成所に入ることを許してくれたけど条件があった

母「養成所に入るのは許します。でもせめて高校に入ってほしい」

「おかんは私の覚悟をまだ疑ってるん？」

そこまで言うと父親が今度口を開いた

父「違う、母さんの言いたいことは芸人になるのは良いがもしこれから先芸人以外にやりたいことが

見つかったら中卒だと何もできないやろ、やりたくてもやりたくてもできない

目の前にあるのに手が届かない、それはとてもつらいことなんだ

父さんがそうだからだ」

「おとんが？」

父「お父さんも中卒でなその時に特に何もやりたいことが無かったから高校に行かずに就職をした

その数年後に本当にやりたいことが見つかった、でも中卒のせいでできなかった

そんな思いをしてほしくないからだ」

「......」

父「だからせめて自分の未来のためにも高校に入っておいて欲しいんだ」

「わかった、高校にはいく」

母「ありがとう」

「あとさ、私松竹に入ったら今の名前じゃなくて芸名で生きて行こうと思ってるんよ」

母「なんで？」

「迷惑かけたないから」

私がそう言って俯くと観念したような顔をした母が

母「わかった、やりたいようにやりなさい」

そこから私はただひたすらに頑張った

高校に行くための勉強だったり本屋で松本さんの遺書を何回も何回も読んだ

いつかこの人に認められたい、お笑いが好きなすべての人たちに認められたい

その思いが日に日に増えて行った

今まで私は勉強がそこまで得意ではなかった

けど夢の道を認められた嬉しさから勉強にも熱が入って担任や他の教師たちからも驚かれていた

そして最後の3者面談で担任に自分の夢、そして志望校を決定した

担任は最後の最後まで反対していたが私の強い意志に折れて応援してくれた

そこからの時の流れは速かった

あっという間に受験シーズンになって受験し落ちると思いながら受けたら受かったものだから

私も両親も喜んでくれたそこからはずっとバイトをしていた

学校にばれないように偽名を使ってただひたすらに働いて様々な人間関係とかを研究するためだった

卒業式も終わり私は一目散に家に帰った

当時私には特に仲の良かった友だちや後輩もいなかったからスムーズに帰ることが出来た

そして4月

高校の入学式よりも先に養成所の合格発表の通知を受け取り家のドアを開け

「今日から私は芸人になるために頑張るんや！」

希望に満ちていた