愛より恋よりお笑いで (ページ9)

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希望　（過去編）ページ9

「今日から私は芸人になるために頑張るんや！」

思えばあの時の私は目の前に希望に思いを躍らせていた

幼いころにみたダウンタウンのごっつええ感じを見てから私の夢は決まった

将来私はダウンタウンさんのような芸人になる

それ以外の夢を持たなかった

2丁目劇場にも足を運んで実際の空気感を体感した

凄くゾクゾクしたのを今でも覚えている

生で見たダウンタウンさんのネタはやっぱり凄かった

心を掴まれるってこういう事なんだって思えて今すぐにでもお笑い芸人になりたかった

親も初めは受け流していたが小学校を卒業して中学に入学して段々と成長していくにもかかわらず

私がずっと変わらずに将来の夢を芸人って言い続けることに関して違和感を感じ始めていたのかも

しれない、そして私が3者面談の時でも変わらず芸人と書いたのを見て私が本気だってわかってくると

両親は反対しだした

母「あんた、ホンマに芸人になる言うてんの？」

「うちはホンマや」

母「そんなあんたみたいな女の子が芸人になりたい言うてなれるような世界とちゃうのよ」

「わかってる」

母「それに高校に行かないでそのまま養成所に入るなんて......芸人の夢をあきらめたときに

どうするの？どこも雇ってくれないじゃないのよ」

「うちは芸人の夢を諦めへんわ！だから中学卒業して養成所に入りたいんや

絶対にその夢から逃げへんという私なりの意思表示や」

母「ホンマにあんたはなんもわかってない」

「わかってる」

母「わかってない！」

「わかってる！！」

私は立ち上がって部屋に向かって階段を上って鍵のついた引き出しからあるものを出して

下に降りていくと丁度父親が帰ってきた

「あ、お帰り」

父「あぁ、母さんから今話を聞いた、お父さんも反対や、大した覚悟もないままやっていけるほど

世の中甘くないんだぞ」

「わかってるわ！だからこそ私だって芸人になりたいって決めてから

ずっとずっと覚悟決めて生きてきたわ！！これが証拠や」

そう言って私はずっと隠していた自分の預金通帳を机に叩きつけた

「ホンマは吉本に入りたかったんやけど、ちょっとお金が足りんかったから

松竹芸能の養成所に入ろう思てる」

母親は私の預金通帳をずっと見ていた

母「あなた、まさかずっと貯めていたの」

「お小遣いとかお年玉とか手伝いとかで少しづつ貯めてた」

母「そこまでして入りたいの？」

「私はたとえもし芸人になるなら縁を切るって言われてもなりたい、覚悟があるの」