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これからのこと (過去編森田side) ページ44

そっからしばらくして俺たちはその喫茶店を出た

すると周りは夏だというのにもう真っ暗になっていて腕時計を見たらもう七時になっていた

Aの方を見るとあの赤いキーホルダーをたくさんつけてる携帯を開いて

「すいません、ちょっと両親に電話してきてもええですか?」

南「おん、ええで、電話してき」

「ありがとうございます」

そう言って少し離れて電話をかけ始めたその姿を見て

森「元気そうやなぁ」

静かにぼそっと呟くと

南「そりゃそうやろ、今までのことが原因で体力的にも精神的にも傷ついてたんだとしたら

そのストレスが無くなったんやからのびのび生活できてるやろ」

森「俺は芸能界でもAのあの嘘っぽい笑顔じゃなくてホンマの笑顔を作ることが

出来なかったんかなって今も後悔してるんです」

南「それは結局結果論やろ、タラレバと一緒やこうだったらとかあーすればとか意味ないねん」

森「わかってますそれは」

南「今俺たちがAに対して出来るのは金輪際かかわりを持たないことがいいのかもしれない」

森「どうしてですか?」

南「俺たちは一応芸能人というくくりや」

森「Aやってそうやないですか」

南「そうやったってことや、でも今はちゃうやろ?」

森「もうAはこっちの世界に来ないんですかね?」

南「わからへん、気になるんやったら聞いてみたらええやん」

南川さんが言ってると親への電話が終わったAが帰ってきて

「大丈夫でした、でもそろそろ帰らんと......」

南「そっか、じゃあ森田送ってやりや!」

森「えっ!」

南「俺この後ここらに住んでる友達が飲み行かへんかって誘われてな

もう暗くて危ないから丁度ええしAの家送ってってやりや、その方が安心するよなA」

「はい、確かに一人でこの暗い中を帰ると考えると思うと怖いです」

南「せやから森田頼んだで」

そう言って南川さんは俺の背中を叩いて耳元で

南「森田がAに聞きたいことがあるんやったら聞いときや

もしかしたらこれが最後のチャンスになるかもわからんからな」ボソッ

森「ありがとうございます」ボソッ

俺もAに聞かれないぐらいの小さな声で言い

森「よし、それじゃあA、家まで送ってったるわ」

「ありがとうございます、南川さん!」

南「ん?なんや」

「気を付けて帰ってくださいね、また!」

南「おう!またな」

後ろを向きながら手を振って歩き出した

この場には俺たちだけが残されて二人で歩き始めた

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作者名:リンさん | 作成日時:2022年2月28日 22時

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