・ (過去編森田side) ページ33
一本タバコを吸って自分の肺の中に灰色をした煙が充満して溜まっていたイライラが
少し消えたような気がするのがいつもだったらなんだが今回ばかりはうまく消えんくて
それは目の前に居るこいつらのせいやって事は明白やった
〈森田さん月城Aさんって知ってますよね?〉
〈よう仲良かったやろ、森田〉
森「まぁ仲は良かったな」
〈月城が松竹と芸能界辞めたん知ってるか?〉
森「え、芸能界やめたんA」
〈あ、知らんかったんですか?てか俺らも最近知ったんっすよ
急にマネージャーが言ってきたんですけど俺からしたらどーでもええんですけどね(笑)〉
事務所をやめたんはテレビとこいつらが話しとったのを聞いて知ったんやけどまさかこの世界も
やめてるとは思わんかったから動揺してタバコを落としそうになった
だからこそこいつらの言ってることにムカついてるんかもしれへん
〈おい!やめろや森田がおる前で〉
森「いやええって(笑)別に、なんやお前嫌いやったんか?Aのこと」
俺がタバコを思いっきり吸って吐いた
すると後輩が気まずそうにして黙ってしもうたから
森「なんやねん、さっきみたいにAの悪口で盛り上がってみいやお前も」
そう言うと同期が効果音が付くぐらいに驚いた
〈聞いとったんか、森田〉
森「たまたま耳に入っただけや」
それだけ言って喫煙所から出ようとすると一人の後輩が
〈やったら森田さんは逆にどう思ってたんですか!月城Aのことを〉
森「あ˝っ?」
自分でも驚くほど低い声が出てきっと顔も相当ヤバいんやろうなと思いながら後輩が
〈ぶっちゃけ俺は森田さんの事好きですし尊敬もしてます、さらばさんのネタおもろいし好きです
でも俺月城Aだけはどうしても嫌いなんです〉
〈やめろ〉
同期が止めても止まらんくて
〈なんであんな奴が売れて他の先輩や俺ら後輩が売れへんのですか?〉
〈もうやめとけて〉
〈あんなやつ芸人でも何でもないやないですか!〉
〈ええ加減にしとけって〉
〈だったらあんな芸人もどき、さっさとやめればよかったんすよ!!〉
〈もうやめ、森「黙れや!!」
〈も、森田さん?〉
俺はその場で地団駄し怒鳴った
森「黙れカス!なんで売れへんか?そりゃ努力してへんからやろ、あいつは
Aはお前なんかよりも数百倍も努力して売れたんや!
でも、でも臨んだ形で売れへんかったって
一人で悩んどった、それ知ってからバカにしろや!!」
そう言って楽屋に戻った
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作者名:リンさん | 作成日時:2022年2月28日 22時