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これからの事 (過去編) ページ31

あれから一週間マネージャーは病室に現れなかった

そして今日がちょうど自分で決断をしてみるように言われてから一週間

多分今日来ると思う

何度も何度も考えた自分の中で自分はこれから先どうしていきたいのか全く答えが出なかった

私はこのままでいいのか......

このまま松竹に残ってやりたくない仕事をやり続けるのか、それともずっと休み続けるのか

それかやめるか、でも仮にも芸人だという事を忘れたくなくて

ずっと窓の外を見ながら考え続けていた、ぐるぐるぐるぐる

空が青くなって暗くなってまた蒼くなってオレンジ色になって

それでも考えが思い浮かばなかった

五日目のお昼ごろ昼ご飯を食べた後に入院患者用のくつろぎスペースみたいなところで

たまたまついていたテレビを見た、テレビを見たのは本当に一か月ぶりで懐かしい気分になった

その時出ていた番組に私の姿はもちろんなかった、それは重々承知していたがそこにいるのが

芸人じゃなくてアイドルだったのを見て過呼吸になりかけた

そのテレビを見てこれからのことが決まったように思う

そして一週間後の今日

病室のドアが開くとやっぱりマネージャーが入ってきた

これからの事を話すとなると大分緊張していた

「いくらマネージャーは面会謝絶じゃなくなったとはいえノック無いのは困るな〜」

マ「あぁ〜すまんなぁ」

笑いながら椅子に座る姿を見て少し緊張が取れたような気がした

マ「しっかりご飯食べてるか?また痩せたんじゃないか」

「これでもしっかり食べてるんですけどねーなんでやろな」

マ「痩せやすい体質なん?」

「昔はこんなんちゃうかったんですけどね...」

なんて言うと病室が一気に静まり返ってしまった

「なんか、すいません」

マ「いやAは何も悪ないし謝ることちゃうから」

「はい」

私がそう言うと手を思いっきりパンッと叩いて

マ「じゃあ、聞かせてくれるか?Aはこれから先どないしていきたいと思ってるん」

深く深呼吸して心を落ち着かせて目を見て

「わたしは.........」




その日は凄く風が強く吹いていた

夏の暑さが少しづつ無くなっていって秋の涼しさが顔を表れ始めたような

それでもまだ夏の暑さが強かったその日、セミの音よりも風の音がすごかった

夢や希望、笑顔をなくしてしまった少女は久しぶりに弱々しいながらも笑顔を見せた

その笑顔に何の意味があったのか見た人間しかしらない



そして........


その一か月後彼女はこの世界から姿を消した

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作者名:リンさん | 作成日時:2022年2月28日 22時

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