・ ページ26
そっからマネージャーは気を利かせてくれたのか私と森田さん二人っきりにしてくれた
でも久しぶりにいざ二人っきりになってみるとお互いに何を話したらええのか分らんかったから
病室内は窓が開いていたからカーテンがなびく音と木が揺れる音が聞こえるだけやった
初めに口を開いたのは私の隣の椅子に座ってる森田さんの方やった
森「...久しぶり、やな」
「お久しぶりです、森田さん」
私が言うと森田さんと目が合ったがそらしてしまった
何でそらしてしまったかわからんかった
森「すまんなぁ、すぐ来れんくて」
「いいんですよ、森田さんお忙しかったんですから...」
森「色々立て込んで「さらば青春の光」
森「えっ...」
「さらば青春の光結成おめでとうございます」
私がその一言を言ったとたん森田さんの顔から笑顔が無くなった
森「なんで、知ってるん?」
「なんでって、うちのマネージャーが色々教えてくれてそれで知ったんですよ」
森「そっか、そうやったんやな」
「どうしてそんな悲しそうな顔してるんですか?嬉しいやないですか、とうとう森田さんの才能が
発揮されるやないですか、しかも森田さんの事を慕ってくれている東口さんなんでしょ?」
森「あぁ、そうや」
「なら、こんなところに来たらアカンやろ」
森「はぁ?」
「私んところ来るんやったらネタとか公演とかやらなアカンやろ」
森「なんでそんなこと言うん?」
森田さんはずっと泣きそうな顔をしていた
私にはなんでそんな顔をしているのかが心の底からわからなかった
何でこんなところに来て私に会いに着てくる意味が分からんくて
「だって、だってだって!こんな芸人にもなれへんかったこんなタレントまがいな事ばっかして
挙句の果てには!っ...ふっ...うっ」
嗚咽が込み上げてきた
私はどんなに悲しくても今まで泣いてこなかったのに今は涙があふれて止まらなかった
森「A、泣いてるん?」
「泣いてるん?泣いてますよ!嫌なんですよ、もう何なんですか?
純粋に芸人になりたかっただけやのにこんなことするためにこの事務所に入ったんとちゃう!!」
森田さんに向かって大きな声で言った
すると森田さんは立ち上がって私を抱きしめてくれた
森「ごめん...ごめんな?」
今はただ嗚咽しながらか細い声しか出すことが出来なかった
「離して...森田さん離してください」
森「いやや、今はこのままでいさせてくれや」
87人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リンさん | 作成日時:2022年2月28日 22時