愛より恋よりお笑いで (ページ14)

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「森田さん、私は芸人になるために養成所に入ったはずなのになんであんなって言うのも

あれですけど、どうしてあんな仕事しかもらえないんでしょうか？」

今日は久々の休みやった、なにして過ごそうかと思おたら森田さんからご飯に行かないかと誘われて

吉野家に来た

森田さんは他のところにしよやって言ってくれたが普通に牛丼が食べたかったからって言うと

堺のよく学生時代に言っていた吉野家に久々来た

「森田さん、ちょっと相談してもいいですか？」

森「ええで、何でも言いや」

私の声のトーンで何かを察したのか静かに聞いてくれた

「どう思います？森田さんは」

森「どうもこうもないな、ただただそんな愚痴を言えるAが羨ましいわ」

「そうですか？」

森「せや、だってな俺は今コンビでな色んな劇場やライブに出させてもらってるけどなテレビに

出る気配が微塵もないねん、かと言ってM1に出たとしてもたかが知れてる

A以外の同期の愚痴はなどうやったらテレビに出られるかや、そんな事考えたことないやろ」

「考えたことありませんでした、でも私は芸人です！人を笑わせるのが仕事なのに笑わすどころか

芸人らしい仕事を一つもさせてもらえてないんですよ！」

森「Aにとっては複雑なんかもしれへんけど仕事をもらえるだけでありがたいと思えや

他の同期はまだテレビにも出れてへん、俺含めてな、贅沢やでその悩み(笑)

どうせやったら他の同期に仕事回してやりって言ってやりたいけどお前に来る仕事は

お前にしか出来ひんからひたすら頑張るしかないねん」

「森田さん」

そこまで言った所で私たちの頼んでいた牛丼が来た

いつもならそこまで待たなくてもすぐ来るはずなのに今日はやけに牛丼が来るのを遅く感じた

森「お！来た来た！！Aはなに頼んだん？」

「私はチーズ牛丼にしました、森田さんは」

森「俺？俺はなネギ玉牛丼」

「ホンマ(笑)森田さんそれ好きっすねー」

森「Aもな(笑)俺は養成所で見たAのネタ、めっちゃ好きやから」

私は割りばしを渡そうとしたときいきなり言われてびっくりした

「えっ？」

森「俺はAの作るネタ好きやから不貞腐れてネタとか作るのやめんなよ

いつか、いつかAの外見とか肩書とかちゃうくてネタで評価してくれるやつも現れるはずや

俺とかな」

そう言って森田さんは笑って目の前の牛丼を食べ始めた

私は目を離すことが出来なくて、ただ胸の心臓が高鳴ったのだけ感じた