愛より恋よりお笑いで (ページ12)

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「月城Aです！今年の春から高校一年生になります！立派なお笑い芸人になれるように

頑張りますのでよろしく願いします」

ただ緊張した

自己紹介しただけなのになんでこんなに緊張すんねやろうと思った

でもこれからの事を考えると否応なく体が震えて周りの自己紹介の声が聞こえんくて

さっき一緒に養成所の前で話した人の自己紹介も体の震えと自分の心臓の音がデカすぎて

聞こえんかった

その日の説明はこれからの養成所での過ごし方、授業はどのくらいあるのか

もろもろの説明があったが渡された本にすべて書いてあると言われて家に帰って

ゆっくり一人で見ることにした

段々と終わりに近づいたんか松竹芸能で一番偉い社長さんが最後に話をしていたがそこそこに

聞き流していたら説明会は終わってみんなが帰る支度をしてて

私もとにかく立たんと思って勢いよく座っていた椅子から立ち上がると持ってきたカバンが

ひっくり返って中に色々入れていた資料や本を落としてしまった

「あ～もうっ！」

私は踏まれないように急いで紙をかき集めていると

？「はい、どうぞ」

さっき話していたお兄さんが落とした紙と本を拾って番号順にまとめてくれていた

「ありがとうございます」

？「見てない方に落ちていたの拾っただけやから」

「なんかすいません」

？「ええって！ええって！俺ら一応同期やんか！！」

「そうですけど年齢は先ほど聞いたら10歳違うやないですか」

？「なんか敬語堅苦しいやろ、別にええて」

「ありがとうございます」

？「そう言えば俺君の名前知らんかったけど月城Aって言うねんな、ええ名前やな」

「それ、芸名なんです」

？「そうなん！なんでなん？」

「両親に迷惑かけたくないですし、それに一応私高校通ってますから身バレしたくないんです

バカにされると思うから、女が芸人になるなんてって」

？「あー悪しき風習やな」

「だからこの世界にないるなら芸名で過ごしたいってもう面接の時から言ってて」

？「オッケーやったんやな」

「はい、そういう事情ならしゃーないなって」

？「ま、そらそう言うわな」

「で、私お兄さんの名前知らないから教えて欲しいんですが」

？「ええっ！さっき自己紹介してたやん！！聞いてなかったん？」

「はい(笑)余りの緊張で何も聞こえなくて心臓の音しか聞こえんくて」

？「あの場は緊張するから(笑)一回だけやで」

「お願いします！」

「俺の名前は森田哲矢やよろしくなA」