愛より恋よりお笑いで (ページ21)

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・　（過去編森田side）ページ21

森田side

「無理せんといてください、私......いつかのためなら我慢できるから」

そう言った時のAの泣き笑いみたいな顔を見た時、俺は何とも言えなくなってしまった

Aの居た会議室から出て社長室に向かって歩いてるとき思た

しかもAが言ったいつかのためって言ったのを聞いてもしかして俺のせいなのかもしれへんと

だからAはどんな事があっても、どんなイヤな仕事があっても、どんな辛い事があっても

俺の言ったいつかのために頑張っていたのかと思うと申し訳ない気持ちとなんであんな素直なヤツが

苦しい思いをせなアカンねんと思った

もうAは十分我慢した1年も我慢したんやこれ以上我慢させたらそれでこそいつか壊れてまう

2度と立ち直れなくなるまで月城Aという1人の芸人が消えてなくなってしまいそうに感じた

そっから俺は社長室について一呼吸ついた

今までで一番緊張しとった、だってもしかしたら自分の首が飛ぶかもしれへんからや

でもそれでもよかった...Aがこれ以上自分で自分の事を我慢しなくてすむのなら

俺は、俺は！

森「俺は死んでもええでA...俺もお前のために「覚悟」決めたで」

俺は社長室のドアをノックして中に入った

結果としてはもちろん惨敗だった

社長の言い分も俺としては十分すぎるぐらいに分かる

でも一人の芸人としては全く腑に落ちることが無かった

逆にお前が社長だったらどうするって言われて芸人になりたい奴には好きにやらせてやりたいって

言ったら一人一人の願望をかなえていたら無理はない

森田が月城のネタを深く評価しているのも分かる、でも女がネタ一本で活躍できると思うか

何も言えなかった

俺はそんなこと無いって言ったけどこれ以上は社長も聞いてくれなかった

俺は重い足取りの中会議室に向かって中に入ると椅子に座ってただ壁をぼーっと眺めているA

その姿にもしかしたらもう取り返しのつかないところまで来てるんじゃないかと思おた

「森田さん、その顔はダメやったってことでしょ？大丈夫です私いつかのためなら頑張れるから」

森「もうわかってるやろA」

「へっ？何のことですか」

森「お前が一番分かってるやろ？そのいつかがこないことに」

「そんなことないですよ、どうしてそんなこと言うんですか？」

森「すまん、でも」

「ごめんなさい、今から東京で仕事なんです」

森「待ってえや」

「すいません急ぎますので」

Aは俺を見ずに足早に出てった