43 ページ45
.
プロ失格だ。そう思わざるおえない。
僕は昨日のダンスレッスンで痛めた足を、誰にも言わず、静かにテーピングで固定した。
今日は音楽番組特番の大トリが控えていて、前々から体調管理には細心の注意を払うように言われていたし、練習もいつもの倍の活気があった。
だから、言えなかった。
ヒョンたちに心配をかけたくなかったし、休憩中にトイレでこっそり巻いたテーピングでその後の練習もこなせたから、少し我慢すれば問題ないと思って。
本番が終わるまで。
本番が終わったら、大人しく病院に行こう。
だから、今は誰に言わずに我慢しよう。
でも、今朝は痛みで起きた。
足首は腫れ上がり熱を持っていて、「あ、これは少しやばいかな」と思ったけどどうにもできない。
大丈夫、今日が終われば楽になるから。
足首を固く固く固定して、鏡で自分の顔をチェック。
良かった。いつも通りの僕だ。バレなさそう。
「あら？A、今日顔色悪いわね」
「え？そうですか？
困ったな、珍しく緊張してて、昨日なかなか寝付けなかったんですよね」
「もー。じゃ今日はいつもより血色良く仕上げるからね」
「さすがヌナ、ありがとう」
メイクスタッフに施してもらった顔は上出来で、よく仕上げてくれた。
「Aヒョン？」
「ん？なに？」
「今日、なんだかいつもと違います？」
「ん？そうかなあ、どこが違うと思う？」
「うーん、わかんないけどなんとなくいつもと違う気がします」
「じゃあ僕もわかんないよ」
「へへ、何が違うかわかったら教えてあげますね」
「はは、うん」
「お前らの会話、わけわかんなすぎ」
「つまり僕とAヒョンのセットが可愛いって言いたいんですよねユンギヒョン」
「すげえポジティブじゃん」
大丈夫、乗り越えられそう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 354人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わいきき | 作成日時：2021年2月8日 13時
