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空港に着いた時、ここがAヒョンの生まれ育った国なんだ…なんて柄でもなくジーンとしたし、嬉しさと緊張が入り混じってドキドキした。
でも、パンパンに詰め込まれている仕事に、慣れない環境、慣れない言語に囲まれて終始神経を尖らせていたら最初の感情を忘れるくらいには疲れていた。
それなのに
「可愛い弟達の日本初披露の瞬間を生で観れるなんて、ラッキーだな」
なんていうヒョンに、それまでの疲れが飛んだ。ぶっ飛んだ。
本番前でメイクも衣装もバッチリ、おまけに笑顔も満点なヒョンがキラキラキラキラ眩しくて、俺の自慢の切長一重がさらに細くなった。なんなら、目元に手も添えそうになった。眩しすぎて。
「ヨンジュニヒョン、何してるんですか」
「いやちょっと、眩しすぎて」
「はい？」
手を添えそうになった。とか言ってたけど、もう添えてた。あまりに眩しすぎた。
困惑したテヒョナに突っ込まれたけど、俺だって自分に突っ込みたい。なにしてるんだ。
「ヨンジュナ、今日大人しいね、緊張してる？」
「え！？あっ、えっと、はい、緊張してます」
「はは、大丈夫だよ。今日のヨンジュナも最高にかっこいいから。
MOAのみんなが待ってるし、自信持ってステージ上がって、いつも通り楽しくパフォーマンスしておいで」
横からですら眩しかったのに、ペカーッと効果音がつくほどの輝きと笑顔をもろに正面から受けて、俺は今どんな顔をしているんだろう。
「Aさん、そろそろ」
「はい！
お互い頑張ろうね、じゃっ！」
サブマネさんから声をかけられ、爽やかに去って行ったヒョン。
俺は両手で顔を隠して、ズルズルとその場にしゃがみ込んだ。
「ヨンジュニヒョン！？」
「え！？疲れてます！？まだ本番前ですよ」
「今、圧倒的輝きを前に眩しさで目が焼けてる」
「このヒョンは何を言っているんだ？」
「もしかしてAヒョンにやられちゃいました？w」
「ヨンジュニヒョン、邪悪ですからね。
今心が浄化されてるんじゃないですか？」
「もっと浄化してもらいましょwwww」
「ボムギュ、ヒュニン、お前らはマジで覚えてろよ」
(俺たちとヒョンの挨拶してからここまでの絡みは、こっそり回っていたカメラにバッチリ全部収められていて後日ONE DREAMで公開されたのち、俺のちょっとした奇行は全世界で流れたしなんならMOAたちにAヒョンのペンだとバレてSNSが賑わってた。)
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作者名：わいきき | 作成日時：2021年2月8日 13時
