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収録前にトイレを済ませて、控室に帰る途中に憧れの先輩の姿を見つけて声をかけようとしたんだけど
「Aさんが連絡先教えてくれるまで帰しません！」
と女性の声と、その言葉に「それは…とても困ります…」とAヒョン。
「えーなんでです？
連絡先教えてって言ってるだけですよ？
カトクくらい、いいじゃないですか！」
「僕、あまり事務所の人や友達以外とは連絡先を交換しないようにしていて…、何かあった時にペンを傷つけることになりますし…
だから本当、申し訳ないんですけど…」
「それってAさんが私を意識しちゃうかもってこと！？それで何かあるかもってこと！？」
「えっ…？！
いや、そういうわけでは…あの…本当勘弁してください…」
近づけば、この後音楽番組で共演するヨジャアイドルの1人だった。
っていうかこの人、めちゃくちゃポジティブ。
ヒョン、すげー困ってるじゃん……
俺なら好きな人を困らせるようなことしないけど
なんて苛立ちが積もり、俺はヒョンを助けることにした。
「Aヒョン！
さっきヒョンのマネージャーが探してましたよ！」
そう声をかけたら、Aヒョンは振り向いて一瞬驚いた顔をしてからほっとした表情で俺をみた
「ヨンジュナ、」
「すみません、ヒョン、メンバーを待たせてるみたいなんで！
ほらヒョン、行きましょ！」
そう言って、腕を掴んで走り出した。
その場から離れて足を止めたら、頭が冷静になってきて急に恥ずかしくなった。
咄嗟に腕を掴んで走るなんて、、
この前まで連絡先を聞くのも精一杯だったのに。
「はー、助かったよ。
あの人ちょっと強引だったから。
ありがとうヨンジュナ」
そう言ってAヒョンは安心したような顔をして俺を見上げるもんだからなんだかドキッとしてしまった。
「ヨンジュナ、背も高いしサラッと助けてくれたから本当少女漫画みたいだったw
俺がヨジャだったら惚れてたな」
……あれ？なんか……
「いえ、、あの、良かったです」
「はは」
普段は中性的だけど、ラッパーのAヒョンは、それはもうBTSらしくてカッコいい。
別名義で活動してる楽曲も、穏やかな彼から豹変するそのギャップがたまらないとペンの間で人気だ。
こんな、、俺の見上げてニコニコ笑うヒョンが
「ヤー！Aや！どこ行ってたんだ！」
「ジニヒョン！すみませーん！
ヨンジュナ、ありがとね！今度お礼させてね！
じゃ！」
こんなに、可愛いなんて…………
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作者名：わいきき | 作成日時：2021年2月8日 13時
