しゅうまつがまっている 。【終メラ】

痛み ページ1

＿机の上に山積みにされていた書類を終わらせ、安堵の溜め息が思わず漏れる。いや、この量をよく終わらせたな、と自分でも正直感心してしまう程にだ。
お姉ちゃん＿＿メロディアは今日は相当疲れていたようで今は寝ている。仲間に尽くすのは勿論良いことだが、無理はしないで欲しいところだ。ヴァンに言っておけば少しは治るのだろうか。
…かと言って、他のアルフィーネの人達も沢山の仕事に追われているため、サボるだなんて到底出来ない。レヴィが少し手こずっていたようだったが … 、指揮官のスタッガルドが手伝っていたようなので心配はいらないだろう 。

＿＿もう一度溜め息をつく、頭がズキズキと痛む、耳鳴りも酷いがいつものことなので大丈夫…だろう。前みたく倒れたりさえしなればいいのだが。
頭を手で支えながら、自分の机の引き出しを開け、小型のナイフを取り出す。これも”いつものこと”だ。
自分の手首へとナイフを当てがう。自分の表情はいったいどんなものかはわからない。笑っているのか。無表情か。それともチクチクと刺さってくるナイフの恐怖に怯えているのか 。… 後者はきっとないだろう。
痛みを感じることのできないのに恐怖だなんて分かる筈が無い。
ナイフで手首を切ってみようとするが、最近は前のように切ることが出来ないのだ。アルフィーネに所属してからだ。こんな風になったのは。メロディアに見つかってからは切ることさえも出来なくなってしまった。切ろうとすればするほどあの時、止められた声が残響するように頭に響く。
「 ほんと哀れで馬鹿だよなぁ、僕ってのは … 」
はは、と一人で笑い飛ばしてから手首に近づけていたナイフを置いたのだった。

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