210.カレー･･･O ページ10
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「ただいまー。」
家に帰ると、梨緒が夕飯を作ってて
「いーにおい。カレー？」
「うん。海璃好きだから」
「あれ？海璃は？」
「寝てる。お昼寝なかなかしてくれなくて･･･」
困り顔で、リビングの方を見たから
そっちに視線をやると机で隠れていてわからなかったけど
スヤスヤと寝息を立てて、海璃が寝ていた。
「ハハッ、もう昼寝って時間じゃないよな」
時計を見ると、１９時を回ってて
「困ったよー･･･もうカレーできるから起こしてくれる？」
「いつ寝たの？」
「二時間前くらいかな」
「それまでずっと動きっぱなし？」
「うん･･･仕事してたから、一緒に遊んであげられなくて。体力有り余ってたのかな」
「そっか･･･」
目の前の海璃の体をゆさゆさ揺すって見る。
「海璃ー。起きて？ご飯だよー？」
「んー。」
「ほら、パパ帰ってきたぞ」
どんなに揺すっても、起きたくないのか
眉をしかめるばっかりで
「ほーら、起きてよー」
体を無理やり起こすと、さっきの表情のまま
ふぇぇぇ。って機嫌の悪い声。
「智ー？海璃起きた？」
「んえぇぇぇ」
目を瞑ったまんま、梨緒の方に歩いて行って
梨緒が、笑いながら海璃を抱き上げる。
「海璃、おはよ(笑)」
「んふぇ･･･」
「眠いの？」
梨緒の問いかけに、こくんと頷くその顔には
涙が見える。
「もう、ご飯できたよ？海璃がカレー食べたいっていうからカレー作ったんだよ？」
「かれー･･･」
「ほら、パパもいるよ？」
梨緒の言葉に、俺をようやく見つけて
「パパぁーー！」
って俺に腕を伸ばしたから、漸く自分の腕の中に海璃を収めた。
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作者名：にゃん | 作成日時：2018年9月1日 13時
