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223.普通に ページ23
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言葉をなくしてると
｢やっぱりこれがAだったんだな。もしかしたら違うかもって思ったけど･･･｣
って、社長が口を開く。
顔は晒されてないから、事情を知ってる社長にしかばれてないはずだけど写真ははっきり写ってる。
｢顔は写ってないけど･･･な｣
｢わたし･･･どうしよう･･･｣
｢落ち着け。顔は出てないんだ。会社の奴らにばれることはないだろ？普通にしてろ、何もなかったように。｣
｢はい･･･｣
怖くて、雅紀くんに会いたくて涙が出そうになるのを堪える。
全部逃げてきたけど、この際だからって、携帯を見るとネットニュースにも載ってて
逃げ場がないことに、ただただ芸能人と付き合うことがどういうことか思い知らされた気がした。
｢今日は、普通に仕事してすぐ帰れ｣
｢はい･･･。｣
｢昨日連絡入れたんだろ？｣
｢は、はい。･･･今夜も電話することになってるんですけど｣
｢そうか･･･｣
｢だからわたし･･･大丈夫です、ほらお仕事始めましょう？｣
普通に、普通にって考えたら勝手にそんなセリフが出てきて
震える腕を隠して、社長に微笑んだ。
｢A･･･無理するな、｣
｢普通にしてないと･･･社長も言ったじゃないですか(笑)｣
引きつってるって自分でもわかる笑顔なのに
社長は、そんな姿を見て暫く黙ったのちに
そうだな･･･って言った。
就業中は、雅紀くんから連絡が来ることは無くて
定時の6時半で帰ることになった。
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作者名：にゃん | 作成日時：2018年9月1日 13時
