オワリノナイ恋 / A. Masaki【23】-11.26更新- (ページ10)

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890.引き留めたい･･･S ページ10

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「ごめん、お待たせ。」

部屋に戻ると、さっきの場所に座ったまんま、テレビを見るわけでもなく
足を抱え込んで座る彼女が居て。

「れ、、テレビ見てなかったの？」

「あ、、はい」

「もしかして遠慮してる？気にしなくていいよ？」

「や･･･なんか、あんまり見る気にならなくって、、」

「･･･そっか･･･じゃあさ、これからの話でもする？」

「これからの話、、？」

「ほら、荷物とか取りに行くだろ？」

俺の言葉に、視線を落として「あぁ･･･」と呟いたAちゃん。

「でも、私すぐ出るので、｣

「え？｣

「流石に、家出中ずっと櫻井さんに面倒見てもらうわけにはいきませんよ･･･お仕事も忙しいのに、、｣

「それは気にすんなって。･･･さっきも言ったろ。得体の知れないところに居られるよりマシだって。｣

｢でも･･･財布とか取りに戻ればホテルもあるので、、」

「なんでタダで泊まれる場所があんのに、妊婦を一人ホテルにおいてかなきゃいけないの？」

「でも櫻井さんのお家にお邪魔し続けるのは違うじゃないですか、、私と雅紀くんの喧嘩なのに、、」

「それで、あーわかりました。って放っておける程、俺も人情味ないわけじゃないんだよ。」

「でも、「でもでもうっさい。…つべこべ言わず甘えればいいの。」

何を言っても、出て行きます。の一点張りの彼女にそう言い切ると
Aちゃんは、申し訳なさそうに眉を下げる。

「別に一生いるわけじゃねぇし、長くても2週間程度だろ？その間ウチにいることぐらい、俺はなんとも思わねぇから。」

「･･･」

「逆にそんだけの日数なのに、追い出してホテルに篭らせたら、俺が何言われるかわかんないし(笑)」

残ってほしさ半分、本当に心配なのが半分。
俺の中での必死の引き留めに、漸く彼女は小さく頷いて
俺もフゥ。と小さくため息が漏れた。

「ん。じゃあ決まり。･･･うちにいれば、相葉くんの状況もわかるわけだしさ。話したくなりゃ、ここで話し合いしたっていいし。」

「･･･すみません、」

「まぁ、今は気持ち落ち着かせるのが第一だろーけど」

俺が笑うと、彼女はふっと俺の方に顔を上げた。