364.最愛であり最後の人 ページ14
.
｢ねぇ、翔ちゃん？｣
｢ん？｣
｢本当はさ？みんなに一斉に言おうと思ってたんだけどさ」
相葉くんのここまでの流れで、何を言いそうなのかは何と無く想像がついて
俺は、前を見ることができなくて、つま先から30センチくらい先の
永遠に続くんじゃないかってくらい同じような景色の続くアスファルトを見つめて歩いた。
「翔ちゃんには、一番お世話になったしタイミングもいいから言わせてもらうね。」
そう言った後に、俺の方を向いたんだろう。
アスファルトに写っていた隣にいた相葉くんの影の頭部が変形する。
「･･･おれ、結婚する｣
「･･･うん」
「驚かないの？」
「お前の見切り発車には、もう驚かねぇよ(笑)」
俺が笑うと、相葉くんは少し黙ったのちに
鼻で笑ったのか、隣から少しだけ大きな呼吸が聞こえた。
「Aちゃんにはたとえ振られようが、オッケーもらえるまで告白でも、プロポーズでもし続けるつもりだったんだ」
｢あぁ、お前はそうだよな｣
「嫌だって言われようが、何かが起きて俺の記憶をなくしてようが･･･」
「それは怖いな」
俺が、ふざけたように笑っても
相葉くんはいたって真面目で
｢だって、Aちゃんは俺の最愛の人だから。･･･俺にとっての最後の人だから｣
こんなセリフを、本人じゃない人に恥ずかし気もなく言えるのは
相葉くんのいいところであって
彼女が相葉くんに惹かれるところなんだろうなって思った。
「Aちゃんは、お前に愛されてて幸せだろうな」
「･･･しょーちゃん･･･」
ようやく横に視線を向けると
相葉くんは、泣きそうな顔をしながらその場に立ち止まった後
俺のあとを着いてきた。
俺が彼女のことを好きだと知らないだろう相葉くんは幸せそうで
俺の気持ちは言わないほうが、相葉くんの為なのか
正直に言ったほうが良いのか
ずっと、どっちに転がればいいのか狭間に突っ立っている気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 328人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃん(プロフ) - ともさん» こちらにもコメントありがとうございます^ ^クスノキのみならずこちらまで！(◎_◎;)お時間頂戴してしまいすみません！そして、ありがとうございます(;_;)プロポーズのシーンは大切に書いていったのでそういって頂けると凄く嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2019年11月9日 14時) (
レス) id: 59e4149665 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - ただいま…一気読み中です！雅紀くんのプロボーズに号泣してます(笑)続き…行ってきます(￣^￣)ゞ (2019年11月5日 10時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃん | 作成日時：2018年10月16日 1時
