44.バーのお誘い【02.09更新】 ページ44
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｢そろそろ出ようか？｣
｢あ、はい･･･｣
仕事や、社長のお見合いの失敗話なんかで盛り上がった後
食事を終えて、レストランから出ると
｢バーでもどう？新しく21階にオープンしたらしいんだ｣
って、社長は下を指さす。
｢え、バーですか･･･？｣
｢それとも、他に何か予定あるか？｣
社長はそう聞いたけど、雅紀くんに電話しなきゃって想いと
社長からのお誘いが断れないって想いが混ざり合う。
｢･･･アルコール低いカクテルだってあるし、そんなに引き止めないから。どう？｣
私が、お酒があんんまり強くないって知ってる社長は、そのことを気にしてくれて。
そこまで、言われたら断るにも断れなくて、じゃあ･･･ってイエスの返事をした。
雅紀くんに今夜連絡できなかったら、明日の朝に連絡入れてみよう。って考えてるうちにバーに着いて
バーテンダーの前のカウンター席に腰掛けた。
社長は、何が飲みたいか聞いてくれたけど、こんなお店に来たことない私は
お任せします、だなんて返事しかできなくて
そんな私に社長は、お洒落な名前のカクテルを二つ注文してくれた。
出来上がったカラフルなお酒を一口飲むと
甘くて、全然お酒って感じがしなくて、これはグビグビいっちゃうな、、って思った。
｢ありがと。付き合ってくれて｣
｢あ、いえ･･･いつもお世話になってますし｣
｢なに言ってんだよ(笑)お世話してもらってんのはこっちだって。｣
｢そんなことないですよ(笑)｣
そう言って笑ってると
まるで、俺も混ぜてくれっていってるかのように
カウンターに置いていた携帯画面にMくんって表示された。
「･･･出ないのか？」
｢す、すみません･･･失礼します｣
不思議そうに画面と私を見つめる社長に断って、その場で急いで電話を取った。
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年11月29日 0時
