43.彼の仕事 ページ43
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｢お疲れ様です｣
１日の仕事が終わって社長と、車に乗り込む。
｢おつかれ。服は〜･･･そのままでもいいか？｣
｢あ、私は構いません｣
社長が、出して。って言ってドライバーに車を発進させる、
｢どちらにある、レストランなんですか？｣
｢都内のホテルの中にあるレストランだよ｣
雅紀くん以外の男の人と2人きりで食事って少し気が引けたけど
もう、何年も付き合いのある社長とだし、食事だって何度も行ってる。
プライベートでは、社長の本名の高野さんって呼び合うほど仲だって良い･･･と思ってる。
レストランに入ると社長のエスコートで席につく。
｢勝手にイタリアンにしちゃったけど･･･大丈夫か？｣
｢はい、イタリアン大好きです。それに今更嫌だと言ったところで、じゃないですか？｣
｢それもそうだな(笑)」
社長がウェイターさんに何か言うと
次から次へと、キラキラした綺麗な料理が運ばれてきて。
綺麗ですね。なんて笑っていると、社長がふと思い出したかのように言った。
｢Aは･･･｣
｢はい、、？｣
｢彼氏とかは居ないのか？｣
｢･･･え？」
私の戸惑った声に、社長はなんだかバツが悪そうに首元をポリポリ。
｢や、あんまり色恋沙汰は聞かないなぁって思って。」
｢･･･いますよ･･･？｣
なんで今そんなことを聞いてくるのかわからなかったけど
そう答えると、社長は動かしてた手を止めて私を見つめた。
｢なんの仕事をしてる人だ？｣
｢･･･なんの･･･と、言われますと･･･｣
なんて言ったら正解なのかわからなくて･･･
でも、アイドルだなんて答えられるわけもなくって
テレビ関係ですかね･･･って曖昧な答えを返した。
｢そうか。･･･上手くいってるのか？｣
｢うまく･･･どうなんですかね(笑)最近付き合い始めたばかりなんですけど･･･この間、喧嘩しちゃって｣
｢･･･そうなのか？｣
｢あ！でももう仲直りして、今朝も連絡くれたんです(笑)｣
そう言うと社長は優しく微笑んで、そうか、よかったな。って言ってくれた。
やっぱり社長は人に優しくて私なんかのことも気にかけてくれて
いい人の元につけさせてもらえたなって思った。
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年11月29日 0時
