32.おかかのおにぎり ページ32
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雅紀くんと、暫く玄関で話してると
玄関の隙間から冷気が入ってきて思わずくしゃみした。
｢･･･上がる？(笑)｣
｢でも、お仕事は･･･｣
｢仕事っていうか、俺明日から札幌のツアーはじまんだよね(笑)｣
｢えっ！じゃあこんな所でこんなことしてる場合じゃないじゃないですか！｣
｢大丈夫(笑)今日の最終便乗れば間に合うから｣
雅紀くんに、背中を押されながらリビングに向かって
ヒーターのついた部屋はホッとする暖かさだった。
｢あったけぇ〜(笑)｣
｢寒くないですか？風邪ひいたら大変･･･｣
｢Aちゃん過保護(笑)｣
ヒーターの前で裾を伸ばして手を口元においてハーって温まる雅紀くんが可愛くって
思わずクスクス笑うと、雅紀くんは、ん？って顔してこっちを見た。
なんでもないです、った後、あることを思いついた。
｢今日の、最終便って何時ですか？｣
｢8時半かな？｣
｢じゃあ、おにぎりでも持って行きますか？･･･小腹空く時間でしょ？｣
｢まじで！？嬉しい！｣
｢じゃあ、中の具何がいいですか？(笑)｣
｢えー、俺ねぇ･･･おかかのねぇご飯混ぜた奴！｣
｢あぁ、お醤油ちょっと混ぜる奴ですか？｣
｢え！なんでわかるの！？｣
雅紀くんがビックリしてヒーターの前に座ったままこっちを振り返る
｢小さい頃よく食べたんです(笑)｣
｢まじで？俺もばぁちゃんが作ってくれててさぁ？｣
雅紀くんの思い出話は、本当におじいちゃんおばあちゃんが好きなんだなぁって思える話で
聞いてる自分が微笑ましく思えた。
｢今日、櫻井さんも一緒でしたよね？｣
｢うん、一緒だった。先に札幌行っちゃったけど｣
｢じゃあ櫻井さんの分も作りますね？皆で食べてください(笑)｣
｢まじで！？わー翔ちゃんよろこぶよ！｣
｢中身何がいいですかね･･･？｣
｢ツナと高菜！！｣
｢それ、雅紀くんの好みじゃないんですか？｣
｢えー、翔ちゃんも好きだよ〜きっと〜(笑)｣
雅紀くんと話してるのが凄く楽しくて
札幌に行っちゃうのが寂しかったけどファンの子達が待ってるんだもんね。
って思ったら、ただただ頑張ってほしいって思いだけが募った。
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年11月29日 0時
