オワリノナイ恋 / A. Masaki【1】 (ページ4)

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04.腹ペコエリートページ4

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あれは二年前の札幌だった。
私は普通のOLから秘書課に引き抜かれて初めての出張ので北の大地に降り立っていた。

冬の北海道は、人がそれなりに多くて
こんなに寒くても、来る人は来るんだな～。なんて呑気にそんなことを考えていた。

「おいA。」

そう名前を呼ばれて振り返ると
そこには社長が暖かそうなコートにマフラーを巻いて
早くしろ。と先に止まっていた車に乗り込んだ。

隣に座る社長は、私の8つ上の33歳。
現会長の実息子で四か月前までは副社長として会長の手助けをしていた。
社長の祖父。この会社の創設者の寿五郎(じゅごろう)様が、病床に入られてから
社長のお父様が社長の座を譲り、会長になられ今の社長がいる。

そんな若きエリートの社長の隣に私が立たされているのか
それは、二年経った後も分からないまま。

社員の中でも私が秘書課に引き抜かれたとき、色んな噂を立てられたけど
どれもこれもバカらしくて、噂も無視をしていると自然とそれも沈下していったし
私が所属していた部署の友達や上司から痛烈な嫌がらせや陰口を言われていて
正直、すごく苦しかったから引き抜かれたときはどんなに噂を立てられても、救われたんだって思えた。

「札幌支社に着いたら少し時間がありそうだな。」

「そうですね、このペースで到着すると一時間ほど余裕が」

「腹減ってないか…？」

その言葉に、社長を見ると
きっとお腹を空かせているのは社長で
その証拠に社長は気まずそうな顔をした。

「到着したら、食堂でお昼食べます？」

「あぁ…」

少し嬉しそうな顔をする社長は、見た目年齢が若いからか可愛いくみえる。
そんな表情が、誰かに似てる…って毎度のこと思うんだけど、それが誰なのかはいっつも出てこなくて
モヤモヤしたまんま札幌支社に到着した。