22.初めまして櫻井さん ページ22
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｢はーいはーい｣
雅紀くんが、チャイムに反応して玄関に向かう。
私もお客様が誰か気になったけど
都合の悪い人だとマズイと思って、雅紀くんの言うお客さんが来るまでリビングで待つことにした。
玄関の方からは話し声が聞こえるけど何を話してるのかはよくわからない。
暫くして雅紀くんが、お待た〜って言ってリビングに入ってきたのは
雅紀くんが言ったお客さんを連れてだった。
｢お邪魔しまーす｣
｢翔ちゃん、好きなとこ座って？｣
そこには、櫻井翔その人がいて思わず口が開いてしまった。
彼も、私を見て驚いたような怪しむような何とも言えない顔をした。
｢翔ちゃんとは、はじめましてだよね？｣
｢う、ん｣
｢･･･どーも、はじめまして｣
櫻井さんは、とりあえず。みたいな感じで軽く会釈をしてきたから
私も、それに習うように会釈で返した。
｢翔ちゃん、この子Aちゃん！今日から、俺の彼女になったの｣
｢は！？うぇ？彼女？｣
｢は、はじめまして･･･｣
雅紀くんは本当に、私のことをメンバーにさえ話してなかったんだって
櫻井さんの表情で、わかって
なんだか自分が場違いなような気がした。
｢あの、なにか･･･？｣
なんだ、ジーッと見つめられてる気がして、そう問うと
｢、、いや。｣
って、そっけなく返されて、視線を外された。
｢ちょっと翔ちゃん！俺のAちゃんだかんね！？｣
｢わかってるよ(笑)｣
なんて、雅紀くんには笑うのに･･･。
なんなんだろう･･･。この違和感。
｢あ、翔ちゃん、突然だけどさ？｣
｢うん？｣
｢このケーキ食べていいよ｣
｢突然すぎるわ！！｣
｢だって、俺ら2人じゃ食べきれないもんねー？｣
｢ぅん･･･｣
雅紀くんが、ねー？って言った後に、こっちに向けられた櫻井さんの視線が
やっぱりなんだか痛々しくて、雅紀くんへの返事もまともに出来なくて。
目の前の櫻井さんは、テレビで見る人と別人みたいな気がした。
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年11月29日 0時
