16.見せるために？ ページ16
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一階に着くと既に雅紀くんは到着してて
携帯を握ってるのを見ると丁度連絡入れようとしてくれてたんだと思う。
伊達メガネにマスク姿の雅紀くんにわかるよう車の窓を2回ノックすると
運転席の雅紀くんは、座りながら助手席に手をかけて扉を開けてくれた。
｢乗って？｣
｢お邪魔します、｣
雅紀くんの運転する車に乗るのは初めてでドキドキしながら助手席に腰掛けた。
｢早くてビックリした(笑)｣
｢20分って言ったから･･･｣
｢俺、待たせた？｣
｢ううん、雅紀くんの方が待ちませんでした？｣
｢待ってないよ(笑)今来たんだもん｣
何て言いながら、私も雅紀くんもシートベルトを締めて
彼の足でアクセルを踏まれた車は、エネルギーを燃やしながら頭を雅紀くんちに向ける。
｢写真とか大丈夫ですか･･･？｣
｢あぁ、平気平気(笑)今俺割とゆっくり出来てるからさ？｣
｢そ、ですか(笑)｣
芸能界がどういう仕組みだかなんて深く聴いちゃいけない気がして
ただ、頷くことしかできなかった。
静かになった車内に小さな音でR＆Bの曲が流れていて
そんなところもお洒落だと思った。
だんだんと心拍数が上がってきて、雅紀くんもチラチラこっちを見るから
それで、またボルテージが上がる。
｢な、なにかついてますか？｣
アイライングチャグチャなのかな･･･
あー、服のセンスが違った･･･？
それとも、髪ボサボサとか･･･？
なんて、マイナスなことばかり頭に流れてきたのに雅紀くんは
｢いや、可愛いなって･･･｣
｢え･･･｣
｢服、似合ってるし･･･もしかしてお洒落してくれた？｣
｢は、はい｣
素直に頷いてから、そんなこと言ったら
雅紀くんのことが好きでお洒落しましたって言ってる様なものじゃ･･･って
自分の言った言葉に、少しどきりとした。
｢それって、俺に見せるためってとっていいの？｣
｢え･･････？｣
｢違うって言われても、そうとるけど。｣
少し遅れて意味がやっとわかって、恥ずかしくて雅紀くんの方なんて見れなくて
あぁ、もう雅紀くんのこと好きってバレてるんじゃないかって
雅紀くんが鈍感でありますように･･･ってただただ、祈った。
だって、、きっと私が好きって言ったら
この恋は、終わっちゃう様な気がしたから。
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年11月29日 0時
