一６ ページ6
あれはいつの飲み会だったか。
…いや、
ほんとははっきり日付けまで覚えてる。
夏の終わり、
日が短くなってきた頃。
夏の湿っぽさを、だんだんと秋の空気の冷たさに変えようとしている途中のような夜だった。
会社全体の飲み会とは言っても
結局は同じ部署でまとまって、
いつもと大差ない話をして、
私はそれで十分楽しんでた。
人気者で顔の広いベクちゃんが
いつの間にかどこかに行ってしまって、
私はなんとなくキリが良い感じがしたから
お手洗いと新しい飲み物を貰いに席を立った。
少しだけ、酔ったかなあ、なんて
気分よく歩いていたら、名前を呼ばれたんだ。
「Aさん。」
って。
少し掠れたような、
でも緊張もしているような、そんな声で。
白状すると、知ってたよ。
存在くらいは。
名前や歳や、既婚者だってことや
お子さんがいることまで。
噂は勝手に回るものでしょう？
すごくかっこいい人だから尚更だ。
でも、ほんとに、あくまでそれだけの人。
ベクちゃんが懐いてる先輩だって
よく話に聞いていたから
てっきり優しい良い人なんだと思ってたけど。
実際は怖い、というか、相当厳しいらしく
苦手だという人もちらほらといて
私は不思議な気持ちになったものだ。
「…ベクが、たぶん話合うよって言うから
話しかけて、みたんだけど、、、」
決まり悪そうに頭をポリポリと掻いて
思い出したように、ハッと顔を上げる。
「っあ、…キムミンソクです、
名乗り忘れました、、、」
「あの、知ってます、、
私は…」
「や、知ってるから。
知ってるから話しかけた…わけだから、」
あまりにも下手くそな、お互いのやり取りに
どちらからともなく吹き出して、、私はもう、
この時すでに堕ちかけていたんじゃないかな。
だって、笑ったら可愛いなんて聞いてないもの。
遠くで目が合ったベクちゃんは
恥ずかしいと言わんばかりに顔を覆って
頑張れ、みたいなポーズをした。
なんなの、ベクちゃん。
ベクちゃんは、私がこの人と仲良くするのを
望んでいるの？
あなたもここに一緒にいれば、意味は全然
違ってくるのに。
それじゃまるで、援護射撃だよ。
それをこの人もまた、当たり前のように
見ている。
意思の強い女の人は、
ここで醒めるのかな？
サーッて、血の気が引くように。
ここで切り上げればよかったの？
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yucca(プロフ) - すずさん、お久しぶりです。お元気ですか？またすずさんのお話が読みたいなぁ(^^♪ (2018年5月27日 19時) (
レス) id: 205d08e47e (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - アキさん» アキさんいつも優しい言葉をかけてくださってありがとうございます〜！ゆっくりペースかもしれませんが、丁寧に書きたいと思いますのでよろしくお願いします！ (2018年2月16日 17時) (レス) id: b8bc3155f8 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - はなほさん» お待たせしました！笑 やっとこさです。あとはここからみんなの魅力を偏らないように書かねば…！ (2018年2月15日 17時) (レス) id: b8bc3155f8 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - はぐさん» はぐさん、いらっしゃいませー！笑 のんびり更新になりそうですが、またお付き合いお願いします！ (2018年2月15日 17時) (レス) id: b8bc3155f8 (このIDを非表示/違反報告)
はなほ(プロフ) - すずさん» ついに意外な人の登場ですね、待ってました！なんとなくこの雰囲気にぴったりな気がします＾＾すずさんの書くKがとんな人物になるのか楽しみにしてますね！＾＾ (2018年2月15日 2時) (レス) id: 756f60358c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すず
| 作成日時：2018年1月27日 15時
