一３ ページ3
広々とした浴槽に並んで入って
備え付けのテレビでも観てたら
現実って簡単に忘れるものだ。
あなたの指に馴染んだその指輪が
私の目に入らなければ、あなたはまるで
独身のように家庭の匂いのしない人だ。
「明日雪降りそうだね。」
「まじか、電車動くかな、、」
職場では怖くて有名な、加えて立場もある
この人が、一回りも下の会社の子に手を出しているなんて誰が想像つくだろう。
あなた、というか男の人ってほんとに、本当に
、浅はかだと思うのよ。
そして、浅はかだと思うのに
突き放せない私は愚かだとも思う。
一緒にテレビを観ることすら特別に感じてる
私の横で、あなたはきっと、早く抱きたいとか
そんなことを考えているんでしょうね。
「これ、この前俺がつけたやつ？」
胸に小さく残る赤い跡。
どんなつもりでそんなこと言うんだか。
「薄くなってきたから
またつけとくね。」
この世のなんと不公平なことかしら。
情けない私はたった一人で、小さな声で、
それでもいいと叫んでいるの。
厚い胸板に抱かれて裸のまま抱き合えば
既婚とか未婚とか、上司とか部下とか、
いいとか悪いとか、なんだっていい。
なんだってよくなってしまう。
好きな人に抱かれて何が悪いんだ、って。
その分の罰は十分に受けているって思うのは
加害者の戯言？
私だって被害者だ、なんて、
甘ったれてる？自業自得？
わからないよ、私には、今の私には、、
「A、早く抱きたかった。」
掠れた声が脳まで響いて、溶けた。
こんなの無理だ。
反則だ。
煩悩だらけの私の心じゃ、この人は防げない。
大人ってずるい。
男の人って残酷だ。
どんどん満たされて
どんどん枯れてって
気持ちよくて、泣きたくて、苦しくて、
また求めて、、
汗だか体液だか
お互いのものが混じり合って
熱いのに冷たくて、
それでも最低限の一線を越すことはない。
あなたが直接入ってくることは、ない。
通い慣れたホテルのピンクのゴムが
ゴミ箱に捨てられるだけ。
その一線を越えることはないのよ。
これから先、一生。
だから、私、現実って嫌いだ。
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yucca(プロフ) - すずさん、お久しぶりです。お元気ですか？またすずさんのお話が読みたいなぁ(^^♪ (2018年5月27日 19時) (
レス) id: 205d08e47e (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - アキさん» アキさんいつも優しい言葉をかけてくださってありがとうございます〜！ゆっくりペースかもしれませんが、丁寧に書きたいと思いますのでよろしくお願いします！ (2018年2月16日 17時) (レス) id: b8bc3155f8 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - はなほさん» お待たせしました！笑 やっとこさです。あとはここからみんなの魅力を偏らないように書かねば…！ (2018年2月15日 17時) (レス) id: b8bc3155f8 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - はぐさん» はぐさん、いらっしゃいませー！笑 のんびり更新になりそうですが、またお付き合いお願いします！ (2018年2月15日 17時) (レス) id: b8bc3155f8 (このIDを非表示/違反報告)
はなほ(プロフ) - すずさん» ついに意外な人の登場ですね、待ってました！なんとなくこの雰囲気にぴったりな気がします＾＾すずさんの書くKがとんな人物になるのか楽しみにしてますね！＾＾ (2018年2月15日 2時) (レス) id: 756f60358c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すず
| 作成日時：2018年1月27日 15時
