No.21 唐突の ページ29
sideユーリ
あれは、来シーズンのための振付。
ヴィクトルはもう、振付を始めてたんだ。
随分と悩んでたよなぁ、ヴィクトル。
ヴィクトルは、観客を驚かすことを一番に考えてる。
散々世界中を振り回してきたヴィクトルだけど、観客はもう、生半可なことじゃ驚かない。
本人が一番それに気づいてる。
自分にイマジネーションが湧かないなんて、選手としては、死んだも同然だ。
「あのプログラム、俺にくれないかな…」
俺ならもっと、世界中を驚かせられる。
シニアデビューの今シーズン、グランプリファイナルで優勝して、な。
「シニアデビューのグランプリファイナルで優勝するには、ヴィクトルの力が必要なんだ………」
「「え、優勝…？？」」
しまった。
つい声に出しちまった……。
「すぅっ………ピンピンしてんじゃねーか！！ヴィクトル！！！！」
誤魔化すように怒鳴る。
ヴィクトルはピタリとスケーティングを止め、こちらを振り返った。
「やあ、来てたのか！ユーリ！！よくヤコフが許したね？」
来てたのか！じゃねえよ。
「何か用かい？」
はぁ？
「ん"ん"〜！」
「あ、その顔はアレだね！俺が何か約束忘れてるってことかな☆」
オイ、☆ってなんだよ☆って。
ざけんな…。
そして俺は、事の成り行きとあの日交わした約束をすべて話した。
「ははは！忘れてたすっかり〜！！でも俺忘れっぽい性格って知ってたでしょ？」
ああ…痛い程な……。
「でも約束は約束だ！新しい振付作ってもらうぞ、ヴィクトル！一緒にロシアへ帰ろう！」
隣にいた勝生勇利が、あからさまに悲しそうな顔をした。
そして訪れる、沈黙の時間。
「よし、決めた！」
唐突に口を開いたのは、ヴィクトルだった。
3人の視線が、ヴィクトルに集まった。
「俺のショートプログラム用の曲で、明日から2人に振付をする」
「「「はぁ？！？！？！」」」
思わず3人、声が揃った。
「同じ振付ですか？！？！」
「こいつと同じ曲を？！？！」
「何言ってんですか？！？！」
またも揃う。
いやでも、そのくらい驚いたというか…ビビった。
「いや、この曲はアレンジ違いのものが幾つかあって、どれを使おうか悩んでいたところだ。もちろん、2人には別々のプログラムを考えるよ！」
なんだ、よ、よかった…？
とりあえずスケートを履いて、練習を始めた。
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駄人間K(プロフ) - ☆Rin☆さん» ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2017年1月6日 21時) (
レス) id: c389418083 (このIDを非表示/違反報告)
☆Rin☆(プロフ) - この作品のおかげでユーリ沼にはまりそうで怖いです（笑）更新ヾ(〃＾∇＾)ｏ ﾌｧｲﾄｫｰ!!楽しみにしてます♪ (2017年1月6日 21時) (レス) id: f2c4ea5338 (このIDを非表示/違反報告)
夏生まれ - 楽しみにしています！！ (2017年1月5日 19時) (レス) id: 80ea5835ea (このIDを非表示/違反報告)
駄人間K(プロフ) - 夏生まれさん» ありがとうございます！！ハピエン、最後にはみんな笑えるよう、これからも更新頑張っていきます！これからもよろしくお願いします！！！ (2017年1月5日 8時) (レス) id: c389418083 (このIDを非表示/違反報告)
夏生まれ - このお話好き！！ちょっと、切ないのがたまらない…けどハピエン期待してます！！ (2017年1月4日 22時) (レス) id: 80ea5835ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：駄人間K | 作成日時：2016年12月1日 10時
