No.10 見てはいけなかった ページ16
sideA
「荷物、多いね………」
旅館のロビーを占領していたヴィクトルの荷物を粗方運び終え、勇利と一息ついていた。
まあ運ぶと言っても、車椅子だから、比較的軽いものを膝の上に乗せて2階の廊下を行ったり来たりするだけだったけど。
「わぁ、こじんまりしていていい部屋だね！ソファはあるかい？」
「すいません開いてる部屋が宴会場しかなくて…」
「あと、一般的な日本家屋にはソファはないんです」
補足してまだ運んでいない荷物がないか確認に行く。
___________確認に来てよかった。
足元に一つ、小振りの箱が置いたままになっている。
幸い、これなら俺だけでも運べそうだ。
箱を拾い上げて、膝の上に乗せた。
筋肉が落ちているせいか、背中が骨ばってきた気がする。運動しなきゃダメだな。
まあ、今は関係ないが。
180度後ろを向き直して、ヴィクトルの部屋を目指す。
「あとひとつ箱ありましたよ〜」
呑気に鼻歌に乗せてそんなことを言った俺がバカだった。
何を話していたかはわからなかったけど、ヴィクトルが右手で勇利の顎を持ち上げ、もう片方の手では、相手の右手首をがっちりと掴んでいる。
なるほど2人はそういう間柄になりたいのか…。
勇利のトレーナーをしてやらんこともないかななんて思っていたが、ここに俺の付け入る隙はなさそうだ。
ほんの僅かな間を置いて、突然勇利が飛び上がった。
「ななななななな、なんていうか、まだ近くにいるのに慣れてないっていうか…その、すいません！！！！」
光の早さで走り去る勇利。
唖然とする俺とヴィクトル。
端から見れば、さぞシュールな事だろう。
「あの、勇利にあまり変な事しないでくださいね」
箱をその場に置き、今度は自らの部屋に向かった。
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駄人間K(プロフ) - ☆Rin☆さん» ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2017年1月6日 21時) (
レス) id: c389418083 (このIDを非表示/違反報告)
☆Rin☆(プロフ) - この作品のおかげでユーリ沼にはまりそうで怖いです（笑）更新ヾ(〃＾∇＾)ｏ ﾌｧｲﾄｫｰ!!楽しみにしてます♪ (2017年1月6日 21時) (レス) id: f2c4ea5338 (このIDを非表示/違反報告)
夏生まれ - 楽しみにしています！！ (2017年1月5日 19時) (レス) id: 80ea5835ea (このIDを非表示/違反報告)
駄人間K(プロフ) - 夏生まれさん» ありがとうございます！！ハピエン、最後にはみんな笑えるよう、これからも更新頑張っていきます！これからもよろしくお願いします！！！ (2017年1月5日 8時) (レス) id: c389418083 (このIDを非表示/違反報告)
夏生まれ - このお話好き！！ちょっと、切ないのがたまらない…けどハピエン期待してます！！ (2017年1月4日 22時) (レス) id: 80ea5835ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：駄人間K | 作成日時：2016年12月1日 10時
