No.7 如何してこうなった ページ12
side勇利
「ねえ、起きてってば勇利!凄いの!!」
Aに肩を揺さぶられ、首が折れそうな衝撃で目が覚めた。
「な、何事?……うわっ、本当だ凄い雪」
もう4月だよ?なんで悪態つきながら窓に近寄った。
「違う!!いや違わないんだけどさ!」
えっ、何?
一気に不安になった。
「早く来て!」
もう既に廊下の先まで辿り着いているAが声を張る。
つられて階段を駆け下り、フロントまで来ると茶色いもふもふに飛びつかれた。
「ちょ、ヴィっちゃん、止めてや〜、くすぐったか〜〜……って、ヴィっちゃんじゃない??!じゃ、じゃあ…………」
「うんそう!マッカチン!!ヴィクトルのプードル!!!!」
僕は耳を疑った。
A、今なんて?
それじゃあまるで、ヴィクトルがウチに来ているみたいじゃないか。
「今朝かっこよか外国人のお客様が来てな、今温泉入っとらす」
僕はもう一度耳を疑った。
父さん?正気?
ヴィクトルがウチに来るわけないよね?えっ??
取り敢えず嘘か本当かどうかはこの目で確かめよう。
温泉入ってるんだよな………
___________風呂!!
一目散に駆け出した。
途中、商品棚に何度かぶつかる。
ごめんA、仕事増やした!
嘘嘘嘘?!
ヴィクトルがウチに来てたらそりゃあアレだよ、嬉しいけど!!?
そんな訳ないよね!?
これはきっと悪い夢か何かだよね?
風呂に着いた。
メガネが曇るのも気にしない。
ぐるっと辺りを見回す______いない。
ホッとする暇もなく、直ぐに悲しくなってきた。
やっぱり、ヴィクトルは永遠に憧れで、天上人なんだ。
___________待てよ
まだ露天風呂を見てないじゃないか。
僕の心に、謎の光が差した。
考えが回るが早いか、露天風呂への扉に手をかける。
________頼む、いてくれ
無駄な足掻きだということも、それが情けないことだってことも、分かっていた。
だけど。
「ヴ、ヴィクトル、どうしてここに…?」
ハッとしたように彼は振り返った。
「勇利!今日から俺はお前のコーチになる!そしてグランプリファイナルで、優勝させるぞ!」
ウィンク付きでそう言った彼は、僕をびっくりさせる天才だった。
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駄人間K(プロフ) - ☆Rin☆さん» ありがとうございます!更新頑張ります!! (2017年1月6日 21時) (レス) id: c389418083 (このIDを非表示/違反報告)
☆Rin☆(プロフ) - この作品のおかげでユーリ沼にはまりそうで怖いです(笑)更新ヾ(〃^∇^)o ファイトォー!!楽しみにしてます♪ (2017年1月6日 21時) (レス) id: f2c4ea5338 (このIDを非表示/違反報告)
夏生まれ - 楽しみにしています!! (2017年1月5日 19時) (レス) id: 80ea5835ea (このIDを非表示/違反報告)
駄人間K(プロフ) - 夏生まれさん» ありがとうございます!!ハピエン、最後にはみんな笑えるよう、これからも更新頑張っていきます!これからもよろしくお願いします!!! (2017年1月5日 8時) (レス) id: c389418083 (このIDを非表示/違反報告)
夏生まれ - このお話好き!!ちょっと、切ないのがたまらない…けどハピエン期待してます!! (2017年1月4日 22時) (レス) id: 80ea5835ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駄人間K | 作成日時:2016年12月1日 10時