冬物語 7

飲み仲間 ページ26

*









冷たい水を
冷蔵庫から取り出し考えた
あの腕時計
どうやって誤魔化そう
お父さんの忘れモノとか
お兄ちゃんの売れモノとか
いろいろ考えたけど





よく考えたら
私と臣くんは只の飲み仲間だ
一々腕時計くらい
どうってことないか
私の一方的な片思いだし









「・・バカだな私・・」苦笑








深呼吸して臣くんのもとへ戻った









「水持って来たよ」








臣「あ・・」汗








「え」汗






部屋に戻ると
臣くんはあの腕時計を
自分の腕にハメていた









臣「わ、悪い、カッコイイなって思ってつい・・」苦笑









何やってんだ俺
見ていたら気になって
腕時計をしっかり自分の腕に
付けてしまっていた








「あはは・・・いいよ全然」汗









臣「これって、誰の？」真顔









「そ、それは・・・えっと・・」汗







臣「彼氏・・いる？」









「い、いないいない！！いないよ！！」汗









臣「いないんだ・・」ホッ








何だいないのか・・
じゃあこの腕時計は誰のなんだ








視線をAに移した









「元カレのなんだ、ソレ」









臣「・・・・.勝手にごめん・・」汗









元カレの腕時計付けるなんて
バカだろ







慌てて外した









「気にしないで？返しづらくてそのまま放置してただけだから・・」笑







臣「・・まだ好きなの？」真顔







「まさか」汗









臣「そっか・・」







「それより、はい」汗







水を差し出した








臣「・・ありがとう」笑









本当はめちゃくちゃ
この腕時計の事聞きたいところだけど






今この時間を大切にしよう









俺たちはまだ








只の飲み仲間だ









END

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