冬物語 7

気付かれる ページ21

*









一瞬で目が覚めた




みんなには悪いけど先に帰ろう
そう思った私は
急いでみんなのいる
テーブルへ走った








「ごめん、みんなっ先帰るね」






そう言った瞬間
ハッとする








向かいのテーブルには
直人さんたちが見える




視線を向けずに帰ろうとしたら
飲み友達の一人が
私の名前を呼んだ








友達「A、気を付けて帰ってね」







「う、うん・・」汗






ヤバイ
名前言われたら流石に
気付かれる







早く帰らなきゃ
視線を合わさないように
足を出口へ向けた時







直人「A！！」







「・・・」ギクリ汗







どうしよう
こんな自分は見られたくない
幻滅されてしまう







化粧濃いし
足出てるし







絶対嫌いだよね






友達でいることさえ
無理だと言われるかもしれない






そう思ったら
辛くて不安でいっぱいになる









泣きそうになるのを我慢して
彼に視線を向けたんだ







直人「・・・何で無視すんだよ」ㇺっ





「・・だって・・」汗







こんな私見られたくないし
嫌われたくない









臣「ちょい待って！！マジでA？汗」








「あはは・・」汗








直人「何かやましいことでもあんの？」






「べ、別にないよ」






臣「それにしても変わるねぇ、俺、こっちの方が好きだけど」真顔





「キモイ」ムッ




それは直人さんに言われたい
言われたいけど絶対ありえないから
臣に絡んで直人さんからの言葉を
さえぎろうとしたんだ









直人「どっちでもいいよ、AはAだろ」笑







「・・・・」うる








そんな言葉が聞けると思っていなかった私は
胸が一気に熱くなった









直人「もうちょっといれば？」ニッ






臣「そうだよ、みんな一緒にさ」ニッコリ








「・・・うん・・」苦笑









安心した私は
帰るのをやめて
元のテーブルへ戻り









直人さんたちとの宴が始まった









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