冬物語 7

苦しい ページ19

*









カフェに入ると
まだ直人さんは来ていない






飲み物だけ頼んで
彼を待つこと30分






直人さんは息を切らせて
店内へ入ってきた








直人「ごめん、遅くなった‥ハぁハぁ」





「大丈夫、今来たところだから」ニッコリ






直人「ウソつけ、氷無くなってるじゃん」





Aの前に置かれている
グラスを見たら
時間が経ったことを
解けた氷が物語っていた






「へへ、バレたか」苦笑






直人「悪い、何でも俺が奢るから言って？」






申し訳なくて
Aの隣に腰かけて
頭に掌を置いた






「・・・な、何この手」







うれしいけど
好きな気持ちに気づかれないように
只の女友達を装う








直人「いい子いい子してんの」笑







「もう！！やめてよね子供じゃないんだから」キッパリ






本当はもっとしてほしい







直人「いいじゃん、俺たち友達じゃん」笑








「そうだけど、一応女です。子供じゃないんだから」







直人「そう怒んなよ」








「怒ってません」つーん





そんなやり取りが
堪らなく愛おしくて
ずっとこうしていたいと
思うんだ






この関係を壊したくない





壊したくないから
会うたび
苦しくてどうにかなりそうだ









こんなに好きなのに







彼には届かないんだ
私の想い









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