冬物語 7

FIRE☆隆二×広臣 ページ11

*









臣くんと二人で
夜桜を見に来ていた日のこと







車に携帯を忘れ
一人戻った時だった




助手席のドアに手を掛けようと
不意に隣の車の中を
見てしまった








「え」汗







見てはいけないものを
見てしまった







濃厚なカップルのキスシーンだ







携帯のことを忘れ
ドアを開けることも忘れ
その光景に見入ってしまっていた









そんな私に気づいたのか




車の中の男が目を開いた





「は！」///






直ぐ目を反らし
慌てて運転席のドアを開け
中に身体を入れた









あれ私何しに此処へ
戻ってきたんだっけ








一瞬頭の中が真っ白になった
そして座席に置かれていた
携帯が目に入り思い出した








そうだったコレ取りに来たんだった
あんな激しいキスシーンに
気を取られるなんて
どうかしていた







深呼吸して携帯を握り
車から身体を出せば
さっきまで車の中で
キスしていた男が
目の前に立ちはだかっていた







流石にビックリして
声が出た









「きゃっ」汗






隆二「見てたよね？」真顔






「な、何も見てません」汗






隆二「へぇ・・俺と目、合わなかった？」







「合ってませんから！！」汗







怖くて
男の身体を押して
逃げるようにその場から離れた









臣くんが待っている場所まで
ほんの少しの距離なのに
ものすごく疲れて
臣くんに縋りついた







「臣くん！！」必死








臣「どうしたのそんな慌てて」笑







「こ、怖い人に会って・・」はぁはぁ







臣「怖い人？」






「・・・ううん・・やっぱ何でもない」苦笑






付き合いだしてまだ1週間の彼に
キスシーン見てて怒られたなんて
言えるはずもなく
口から出かかった言葉を
飲み込んだ







初デートで変な子だと思われたくなくて
笑って誤魔化したんだ









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