冬物語 6

昨夜 ページ48

*









A









桜の約束
用事なんて何もなかった
約束を断られるのが怖くて
自分から断ることにした









それは昨夜
加奈子と二人で
直人に教えてもらった
ワインbarで飲んでいた時の事









カウンターで飲んでいたら








隣に若い男の子たちが
楽しそうに並んで
座ってきた









耳を澄まさなくても
会話は聞こえてくる









亜嵐「明日楽しみ」









隼人「うん、SEVENの飲み会だろ？」









亜嵐「そうそう、たまたま遊びに行ったら直人さんに誘われたんだよね」笑









そんな会話に
思わず視線を
彼らに向けてしまった








隣の彼を見ても
知らない男の子に
頭を悩ませていたら
加奈子が肩を叩いて









加奈子「ジェネだよジェネ！！」小声









「え？ジェネって？」汗









加奈子「あんた本当に直人さんの彼女なの？」呆






「アハハ、一応」苦笑









芸能人に興味のない私は
全くわからなかった









そんな私に
加奈子にダメ出しばっか
されていたら
隣の二人に話しかけられた









亜嵐「あの・・すみません」









「ん？」









視線を隣に向けると
綺麗な顔の彼が
笑いかけている









亜嵐「すいません、会話丸聞こえでした」ニッコリ









加奈子「亜嵐くんと隼人くんよね？！！」///









加奈子が身を乗り出して
彼らに話し出した






こうなったら
彼女を止められない
気が済むまで話させようと
席を入れ替わった






そんなことがあり









約束した桜の日は
打ち上げがあることを
知ってしまったんだ









隼人「まさか直人さんの彼女と遭遇するなんて」笑









「びっくりだね」苦笑






亜嵐「そういえば直人さん、前にAさんの写真を見せびらかせてました」笑








隼人「そうだ、んで俺が可愛いって言ったらいきなり怒られて」笑






亜嵐「ウソですって言ったら、言ったで怒られて」笑









隼人「普通っす！！って言ったら睨まれた」苦笑








「ぷ笑、何それ」笑









加奈子「愛されてるじゃん」笑









「・・うん」笑









そんな話を聞いて
たまには物分かりのいい
私を演出したつもりだった
ウソついただけなんだけど









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