冬物語 6

固まる ページ42

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臣くんはどうして
私を選んでくれたんだろう
未だに彼女だということを
忘れてしまうくらい
実感がない









臣「・・何、見過ぎだよ」笑







「ごめん」笑







綺麗な横顔に見惚れていたら
突っ込まれた








肩と肩が触れ合って
臣くんの体温が伝わってくる







そんな時









岩田「お疲れっす」









臣「おう、お疲れ」









岩田さんが席にやってきた
可愛い彼女と一緒に
私たちの目の前に腰を下ろす







視線を上げると
岩田さんが固まっている









「は、初めまして」ニッコリ








岩田「は、初めまして・・」真顔





臣「何だよ岩ちゃん、A気に入った？」笑






岩田「な、何言ってんすか」苦笑






アキ「そうよ臣クン酷い、彼女でしょ」ムッ







「アハハ、臣くん・・・」苦笑









余裕な臣くんに不安になる
岩田さんの彼女は
臣くんとも親しそうで
自分との距離を感じてしまう






はぁ
何で此処に来ちゃったんだろう
気持ちが下がった私は
一気にカクテルを流し込んだ







私を除いて
3人は楽しそうに話している





人見知りな性格を
この時は相当恨んだ









そんな私に哀れんでくれているのか
たまに岩田さんと
視線だけが合うことに気付く








だからって
何も話すこともない
目が合うたびに
気まずくて視線を逸らす








アキ「私化粧室行ってくる」






岩田「うん、行っといで」笑





岩田さんの彼女が席を立って
臣くんもしばらくして
電話しに外へ出た








そして私と岩田さんだけになり
益々緊張が走る







氷だけになったグラスを見ながら
溜息が出る









「はぁ・・・」









岩田「クロは元気？」二ヤリ






「え？」









な、何でクロのこと知ってるの









ビックリした私は
岩田さんをじっと見た







岩田「また逃げられたら、もう捕まえてやれないよ」笑







「・・・・あ！！」









岩田「やっと気づいた？」二ヤリ







まだ半信半疑な彼女に
持っていたキャップと眼鏡をかけて
笑って見せた








「あの時の・・」ビックリ







岩田「遅ぇよ」笑






「だってあの時と全然違うから」苦笑







岩田「そうかな」笑







「うん、そうだよ」真顔







今日の彼はちゃんとセットされた
ヘアスタイルだった






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