冬物語 6

ちょっと ページ32

*









はぁ良く寝た






啓司の肩を借りて眠っていたら
今度は彼の頭の重さで目が覚めた








「・・・重いよ啓司」汗






啓司「ん・・・」






「もう着くよ」







寄りかかっている
啓司の頭を両手で押した





啓司「・・・もうちょっと・・ん・・」








「うわっ」///









啓司の顔が首筋に当たった








ちょっとそれは・・
流石にくすぐったいし
照れるじゃん///









私、本当は女なんだから









なんて言える訳もなく
この状況に耐えるしかない








変な声出しそうになったけど
必死で堪えたんだ








この仕事の条件が
男に限っていたから
今バレる訳にはいかない









たまたま身長も高くて
身体を鍛えていたから
すんなり面接をクリアできたんだ






それから2年
なんとかバレずにやってこれた









かなり男を意識して
兎に角服は脱がず
プライベートでも
ほとんど彼らとは
接触したことがなかった








誘われたことは何度かある
そのたびに彼女が居ると断れば
アッサリ諦めてくれていた







この仕事に執着するのには
ずっとあこがれていたから








おこがましいけど
彼らの役に立ちたかった
いつも一生懸命で
キラキラしていた彼らに
ずっとついて行くと
入社当時からずっと心に
決めていたんだ







だから恋愛感情には蓋をして
これまでやってきた









それなのに









たまにこういう状況になると
自分が女なんだと
思い知らされる









まさに今








心臓がバクバクし始めている









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