冬物語 6

可哀そうな人 ページ29

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結構走って、やっと足が止まった









大樹「あの・・」汗







「はぁ・・ハァ・・・すごいね、息・・切れてないね・・・ハァ・・・ハァ・・」汗







大樹「・・健二郎さんと何かあったんすか・・」






「・・・ううん、その逆・ふぅ・・」





大樹「逆？」はて





「何も・・なさ過ぎて・・ムカつくから眠ってる健二郎の顔に落書きしてきたの・・」汗





大樹「・・・眠ってたんなら・・走って逃げなくてもよかったんじゃ・・」苦笑





「ううん、書き終わってね、バカ野郎って叫んで起こしちゃった」笑






大樹「ハハ・・すげぇな・・」汗





「絶対怒られるでしょ？」苦笑





大樹「そうだね間違いなく怒られる」うんうん





「だからごめんなさい、説明する暇がなかったから一緒に連れ出しちゃった」笑





大樹「・・そういうことか・・・」笑





「健二郎に用事あったんでしょ？」





大樹「健二郎って・・呼び捨てできるほどの仲なんだ？」





「まさか、もう最後だから呼び捨てで叫んできたの」汗





大樹「・・最後って？」





「ずぅーっと好きだって伝えてるのに、伝わらないから・・今日で諦めるんだ・・」しゅん





大樹「諦められるの？」




「・・・だって全然相手にしてもらえないから・・それよりあなたは？健二郎に用があったんだよね？」ごめんなさい






大樹「いや、俺はそんな大した用じゃ・・慰めてもらおうと思って・・」汗







「何かあったの？」






大樹「・・まぁ・・ちょっと・・彼女に出ていかれて・・」ボソ






「えぇ！！そうなの？そっちの方が可哀そう」






自分より可哀そうな人がいるんだ
そう思ったら慰めてあげたくなった









それから二人でいろいろ話して
自己紹介なんかもして
いつの間にか意気投合していたんだ









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